ヴィンテージなストラップ回顧 - 前編

70～80年代にかけて、スーパーギタリストと呼ばれる御大も、近所の先輩も、みんながACEっぽいサイケな柄のストラップを使ってました。みなさんが愛用してきたストラップにも、それぞれに大切なライブの思い出が詰まっていると思います。今回は、前後編の2回に分けてストラップを回顧していきます。

今日はヴィンテージ・ストラップを引っ張り出してきた、土曜日の午後です。タケガミさんが遊びに来てくれると、概ね1時間は、ジェフ・ベックのストラップについて語ってくれます。なので、ミスタードーナツの「ザクもっちリングスパイシーミート＆ポテト」を囲んで、四方山話に花が咲いています。

Woven Strap、ときにはEmbroidery Strapとも呼ばれる、織物の布ストラップです。70～80年代にかけて、スーパーギタリストと呼ばれる御大も、近所の先輩も、みんながACEっぽいサイケな柄のストラップを使ってました。元町のロッコーマンに行っても、梅田のナカイ楽器に行っても、そんなに毎回ギターやアンプを買うわけではないので、無料のカタログをいただくために、何かちょこっとでも買わないと気が引けます。ですから、まあ、店頭にある手頃な、学生にも手の届く雑貨（笑）を買うわけです。

ストラップは、柄や仕様がさまざまだったので、それなりに何本あっても不都合ないし、買いやすいアクセサリーだったと思います。私は、切れたのも壊れたのも、捨てずに保存していました。最近はリペアのパーツも手に入りやすいので、ひとつひとつミシンをかけてレザーエンドも付け替えて復活させています。（ミシンって、最初の糸がけの仕組みがよくわからないので、毎度苦労します）

Vintage Maniacsでは、これまで何度かストラップの記事を書いてきましたが、寄せられるご意見を参照すると、みなさんの嗜好は大きく分けて4パターンくらいに分類してコレクションされているのではないでしょうか。

Aタイプ：王道のAceやBobby Lee Woven Type

AceやBobby Leeのヴィンテージ・ギターストラップを紹介

2015.7.18

Bタイプ：キング・オブ・Woven Strap Gibson

ウッドストックの時代が見え隠れするギブソンの織物ストラップ

2017.9.8

Cタイプ：誰もが一本はもっているはず Fender Woven Strap

Fender Strap かく語りき第一話（全三話）

2022.4.22

Fender Strap かく語りき第二話（全三話）

2022.4.29

Fender Strap かく語りき第三話（全三話）

2022.5.6

Dタイプ：1959のケース・キャンディーヴィンテージ・スリム・レザーストラップ

ギブソン純正の革製ギターストラップ

2016.4.8

ここでちょっと横道にそれますが、Dタイプはギブソンが初期のヒスコレ・レスポールにおまけで付けたことから、一気にコレクターズ・アイテムとして再認識されるようになりました。1999年の事です。1958年当時は、レスポール・スタンダードには「タン・カラー」を、カスタムには「ブラック」を付けていました。コンディションの良いヴィンテージ・レスポールのオーナーの中には、ハードケースのポケットに、取説やタグと一緒に「レザー・ストラップ」を発見された方もおられるでしょう。もちろん、ACEは箱入りで別売もしていたのですが、ちょっと「付属品」とは仕様が異なっていました。

市販品との違いは、この部分のパーツです。

ギブソン向けのOEM仕様は、ここがブラスになっていて、無茶苦茶カッコいいんです。

Vintage Maniacsの復刻版でも、しっかりと再現されていますね。

で、本題の「Woven Strap」に話を戻しましょう。みなさんは、どの柄に思い入れがありますか？　柄違い・色違いを合わせると72種類ものパターンを製造販売していたACEですが、ストラップマニアのタケガミさんに、お気に入りの5本を選んでもらいました。みなさんのお気に入りベスト5と比べてみてくださいね。