Gibson SG Custom - カスタムな戦闘機 (前編)

戦闘機のようなシャープな印象を覚えるデザインのSGカスタムを前後編の2回でご紹介。前編の今回はボディカラーに注目。GibsonのカタログにWalnutしか掲載されていないのは謎です。

戦闘機のようなデザイン

SG Customって、すごく「戦闘機」っぽいデザインなんですよ。みなさん、この写真をご覧になってそう感じませんか? SG Standardと同じには見えないシャープな印象ですよね。ウォルナットという濃い茶色のボディカラーにワイドピックガードが、トムキャットやナイトホークのようなシャープな機体を連想させるのかもしれません。

SG Customのボディカラー

当時のカタログでも、先ほど紹介したカラーリングのギターが紹介されています。記憶をたどってみると、この色の組み合わせのほかには「ジミヘンの白いSGカスタム」ぐらいしか思い浮かびません。

以前ご紹介したリットーミュージック社刊「ギター・マガジン 2016年10月号 SG宣言!!!」を見てみましょう。

この本に、ワイドピックガードのカスタムが2本掲載されています。めずらしい「Black」とレギュラーカラーの「Walnut」ですが、あらためて見てみると、ブラックといわれても、あまりウォルナットと見た目が変わらない印象があります。

ブラックがレアカラー、レギュラーはウォルナットとホワイトがあったのだな、と思いがちです。しかしカタログをよく見ると、なんとカラーがウォルナットしかない。下位グレードのStandardには「Cherry Red」と「Walnut」そして「Sunburst」があるのに…。しかも、ジミヘンで有名になったホワイトもラインナップされていません。当時のギブソン社は、なにがしかの理由で「チェリーレッドはカスタムに似合わない」と思ったのでしょうか。でも、Les Paul Customはイメージがブラックなのに、ちゃんとサンバーストやホワイト、ナチュラルもラインナップされていますよね。SG-Ⅰにでさえサンバーストが用意されていました。謎です。

じゃあ、サンバーストや他の色のSG Customがあったらどうなんだろう…って画像加工してみたら、意外や意外、かっこいいではないですか。

とはいえ、当時のギブソン社なりに「SG CustomはWalnutだけ」と決めたのですから、ここは素直にディテールを見ていくことにします(笑)

SG Customのヘッドストックと指板

2本とも同じスペックで同じ年代に見えますが、左は角ロゴで、右は丸ロゴなので製造年が異なります。

ロッドカバー特集でご紹介したとおり、Customのモデル名は通常「SG CUSTOM」と入るのですが、

この2本も、ギタマガの特集に紹介されている個体も「CUSTOM」の縦文字だけです。

Les Paul Customと共通のスプリットダイヤモンド・インレイがヘッドに燦然と輝きます。素材は白蝶貝で、高級機種ならではの手の込んだインレイです。大きめのブロックインレイもカスタム仕様で、指板はエボニーです。

上質な縞黒檀で茶色い部分がキュートです。

後編ではパーツを中心に、さらに詳細なスペックをご紹介いたします。

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ギターマガジンSG特集、勝手に付録の巻
ギブソンのSGは歴史の生き証人のようなモデルです。ギターマガジンのSG特集を見ながらVintage Maniacsなりに勝手に付録を考えてみました。

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