ギブソンSGの異端児メナス

「俺スキ」は個人的趣味で、キワドク「スキ」なギターをセレクトしていくコーナーですが、SGメナスに至っては、スキというよりも「単にSGでヘンテコなので書かざるを得ない」という事なんです。カタログを見てください。

なぜか自信たっぷりに「トライバル・カット」とか「タトゥー・ロゴ」なんて謳い文句が並んでいるので、さぞかし「すごい事になってるんだろう」と思うわけですね。

まず、1行目に書かれている「ブラスナックル・インレイ」がコレです。

なんとなく強そうで凄い。次に「トライバル・ボディ・ルーティング」。「アイツトララバイ」じゃないですよ。トライバル風味のルーティングというか、ボディを削った彫がサイドに…。

ご丁寧にボディ全体を一周しています。それだけで終わりません。エアーインテークばりの細工がピックガードに施されていて照れます。

ボディはマホガニーのワンピースと思いきや「マホガニー＋メイプルトップ」と書かれているので、SGのレスポール版です。

エボニー指板っていうのも、このクラスとしては高級素材を使っています。

ピックアップはマローダーにも通じるクリアボビンのハムバッカー。ブラススタッドという表記が意味不明ですが、ポールピースがブラスなのでしょうか、誰か知ってる人？

極めつけが「刺青スタイルのギブソンロゴ」です。天下のギブソンロゴをこんなチンチクリンなデザインにして大丈夫なのか？

ちょっと前なら、アジア製のコピーモデルと間違われたかもしれませんよ。でも個人的には嫌いじゃないです。アメリカンでマッスルな感じがしました。

根性が座っているのは「マットブラック・カラーだけだぜ」っていう妙な自信。つまり黒しか選べないわけです。ブリッジやテールピース、グローバーのペグまで黒ですから。

最後の最後まで謎なのが、保証書に記載されているモデル名の「SGGMBFBCI」。

言わんとするところがまったく把握できませんから、たぶん輸入代理店の山野楽器さんも相当困ったでしょう。このSGメナス、とりあえず私の大好きなSGのキワモノとしてZemaitisと並べてみましたが、結局良くわからないアメリカン・コミックス的デザインってことで。

さらには、目下レスポール・メナスを捜索中。

文・写真：FUKAZAWA VINTAGE CLUB

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