ギブソンのスイッチプレート - 年代別スペックを画像で紹介

演奏中のギタリストからギターを見ると、ボディの一番近くに見える最初のパーツがスイッチプレートですね。ギブソンは50年代すでにピックアップを2基以上搭載したギターにはSwitchcraft(スイッチクラフト)社のトグルスイッチを取り付け、切り替えができるようにしました。ギブソンの多くのモデルはネック側にスイッチをレイアウトし、ボディにダイレクトマウントすることで耐久性と演奏性を優先しています。

切り替えスイッチがピックガードにマウントされたフェンダー社のスペックは生産性優先、一方のギブソンは手間暇かかる工程です。“合理性のFender”に対する“美学のGibson”たる所以です。

このスイッチに取り付けられた、クリーム色をした丸いドーナッツ状のプレートは年代ごとに変遷が激しく、長年マニアを悩ませ続けたパーツです。

スイッチプレートは「割れ」「傷み」「文字消え」などによる交換頻度の高いパーツなので、ABR-1ブリッジのコマ同様にリペアパーツとしてギブソンはしっかりと販売店に供給していました。次の画像のように、いまだに古いギブソンディーラーから未使用で見つかったりします。

この紙袋には「6-19322 TOGGLE SWITCH WASHER WHITE」と記載されています。色が明記されていることから、プラスチックプレートを「WASHER」と呼んでいたことがわかります。70年代のディーラー向けパーツリストを見ると、確かにレスポール・デラックスのクリーム・スイッチプレートはWASHERと記載されています。一方でパーツリストでは番号が「19293」になっており、もともと追い番ではなかったようです。

次の2枚は同一スペックです。

打ち抜きに使う刃の切れが悪くなってきたようで、何箇所かバリが見られます。普通はこの段階でパーツとしては“不合格”のはずですが、ギターにも普通に搭載されていましたし、アフターパーツもこんな感じです。ゴールドの箔押しは浅く、少し擦ると傷がついて薄くなりそうです。54年頃の方がしっかりと熱溶融しています。色は同じでも若干ピンクがかって見える角度がそれぞれ異なるので、板材の方向性と箔押しの方向には相関関係が無いことがわかります。

ヴィンテージ(特に1958~1960)のスイッチプレートは、裏面を見れば判別が容易です。箔押しの工程でつく独特のスクラッチは、作業員が台の上をスライドさせて作業していた様子をうかがわせます。

こうしたパーツのマシンマークひとつを見ても、当時の作業工程が推察できて面白く、デッドストックやレフトオーバーのパーツが語りかけてくるノスタルジーですね。サイド、バック、内側、どこを見ても見事にバリが残っていて、これを“精度の高い現代の加工業”で「再現してください」というと、気位の高い職人さんから「あんたアホか?」と言われてしまいます。

では次に50年代から70年代までの年代別スペックを見ていきましょう。上段左から、54年、59年、59~60年、68年、77年です。

68年と77年の大きな違いは「R」のフォントで、ヴィンテージを区別する一般的な手がかりでしたが、1999年にDMC(Dead Mint Club)が初代の復刻版を登場させてからは基本的なディテールとして認識されています。厚みも年代により異なります。なお77年は裏に「□」マークのある成型品です。

スイッチプレートを留める金属ナットは基本的に59年のレスポールと62~63年頃のSGまでは同一スペックです。ローレットの粗さと大きさが特徴で、64年頃から仕様変更になりパーツナンバーも変わります。

参考までに同じギターに搭載されていたスイッチプレートとジャックプレートを重ねてみました。厚み・色など、この2つのパーツの素材がもともと異なることが良くわかります。ジャックプレートについては今後別の記事で取り扱いますのでご期待ください。

最後になりますが、私が好きなレスポールのアングルのひとつをご覧ください。

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