俺スキ番外企画 - Victoryに込めたギブソンの想い (前編)
1981年にGibson社が満を持して市場投入した「Victory Bass」。プレべのマーケットを凌駕すべく企画されたベースを前後編の2回で見ていきます。
1981年、Gibson社が満を持して市場投入した「Victory Bass」には、Fender対抗のサンダーバード後継機種として、「商業的成功(Victory)を期待する」スタッフの熱い思いが込められていました。34インチスケールにメイプルボディ・ボルトオンネック、ローズウッドフィンガーボードに新開発VIIIBピックアップという、まさにプレべのマーケットを凌駕すべく企画されたベースを見ていきましょう。
VM (Vintage Maniacs)Victoryシリーズって、ベースもギターも機能的に見えて僕は好きなんですが。
FV (Fukazawa Vintage Club)私も、パイルドライバー(心斎橋バハマを拠点としたハードロックバンド)在籍中に愛用していたプレべを下取りに出して、渋谷のイケベで手に入れたベースだから、いまでも愛着がある。
VMじゃあ、そんな二人の身勝手な思い入れを、読者の方々に無理やり押し付ける企画ってことで。
FVあ、今回「俺スキ」だったの?(笑)
VMFVさんのガレージにあるパーツボックスをひっくり返すと、このアッセンブリーが沢山出てきましたが。
FVこれは、「Victory Standard」のアッセンブリーだね。1ピックアップのシンプルな。
VMなんで、こんなにあるんですか?
FVナッシュビルのレフトオーバーパーツに入ってたんだろ。当時、期待の台数が売れずにアッセンブリーだけ残ったってことかな。
VMでも、1981年から86年まで生産されていますから、プロダクトライフサイクルそこそこ長めですよね。
FV実は24フレットで、2オクターヴだ。3モデルあって、Standard、Custom、そしてArtist。
FV使い勝手の良いスペックが、最近では再評価されている。
VMこのパンフには、ArtistとStandardのグレードが掲載されていますね。Customは、どこいったんだろ。
FVたしかに、Customが載ってないな。ドイツでもらった営業用資料のリーフレットにも、ArtistとStandardだ。
VM価格的には、あまりものパーツで構成した「やっつけっぽいV Bass※」のほうが高額ですねえ。
※FV注:VM君は、フライングVベースが大好きなのに、ピックアップをサンダーバードベース用ハンバッキングに交換して後悔しているので、なんとなく悪口言ってますが許してやってください
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FV昔の広告で価格をチェックしてみようか。
VM何年ごろですか?
FVまずは、1990年頃。ディスコンになって、すぐの中古市場だ。
VMうわー、10万円以下かあ。新品の半額かあ。随分と不人気な…価格付けですね。
FVお隣のRipperベースよりもだいぶお手頃。この価格でギブソンのベースが手に入るなら、バンドやり始めた頃に買うベースとしては、十分に即戦力かつ価値あり。
VMおなじ号の広告でVictoryのギターが出ていますが、値段は似たり寄ったりで、なんか相手にされてない印象あって、不遇だなあ。いまからタイムマシンに乗って、買いに行きたいっすよ。
FVお、タイムマシンといえば、「Back to the Future」を観た人なら、みんなVictory Bassを見ているし、サウンドも聴いているんだよ。
VMええええええええええ~!!!?
というところで、後編に続きますが(笑)、ピックガードは同時期のLP Customと同じ5層目のBlackが薄くて4層目のWhiteが厚い5PLYです。写真左はデッドストックのLPカスタム用ヴィンテージPG、右がVictory Bassのピックガード
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