ヒストリックな復刻V (前編)

Historic Collection 1967 Flying V

VM（Vintage Maniacs）ヒストリックコレクションの1967 Flying Vって、いまだに多くのマニアが探していますが、そんなに完成度が高かったんですか？

FV（Fukazawa Vintage Club）そうだね、個人的には「あのボディサイズでマホガニーの一枚板」って、ありえないと思っていて。それだけに、ギブソンが2001年に復刻したと雑誌広告で見たときは、自分の目を疑って銀座の山野楽器まで実物を見に行ったよ。

VMでも店頭になかったんですよね、その時は。

FVそうそう、早とちりだった（笑）　よく見たら広告の隅っこに「近日入荷予定」って書いてあってね。

VMカタログでも、自信たっぷりに「可能な限り多くのオリジナルモデルを実測して、ついに完成した」って謳ってるぐらいですから、相当細部までこだわったんでしょうね。

FVまあ、ギブソンはいつでも「細部まで最高に緻密に再現した究極の…」って広告コピーで書きながら、数年後には「新たな究極バージョンが…」ってやらかすので。ヒスコレ67Vに関しても、「どこまで再現できているか眉唾ものだ」って、おおくのVマニアが言ってたけど。

カタログでカラーバリエーションを確認

VMヒスコレ67Vが紹介されているカタログは、手元に4種類あります。先ほどのが多分一番最初のカタログだと思うんですが、これによると、カラーはAN、CW、EB、FC、TBの5色ですね。

FVANはアンティークナチュラル、CWはクラシックホワイト、EBがエボニーブラック、FCはフェイデッドチェリー、そしてTBがタバコサンバーストかな。

VM今日は、3本ですね。

FVとりあえず、タバコサンバーストとクラシックホワイト、そしてフェイデッドチェリーを出してみた。

VMさすがにフライングアロー。並ぶとかっこいいです。あれ？　一番奥のはアンティークナチュラルじゃないですか？

FVいや、経年で退色したチェリーレッドさ。それから見ていこうか。

ヒスコレ67Vの重量をチェック

VMうわ、軽いなあ。

FVこれなら、ステージで振り回しても、走り回っても、軽々と扱えるね。

VMえっと、オリジナルのVって、どれぐらいの重さなんですか？

FVパーツを全部外しちゃえば、2kg（笑）　よく北米のディーラーは、軽いギターを「Feather Weight」って表現するけど、ほんとだね。

VM同じVでも80年代に入ると、随分重くなる印象ですが…。

FVこれは、ボディがマホガニーじゃないけれど、3.55kg。

FVまだまだレスポールよりも軽量だ。

VMで、アンティークナチュラルに見えるチェリーのVは、どんな感じなんですか？

FVそうだね、パーツを外すと、その下にとにかく「真っ赤なチェリーレッド」が残っているよ。

FVいろんな意味で、ヴィンテージっぽさが随分出ているね。

67年のフライングVの生産本数

VMヒスコレには、Sparkling Burgundyはないんですか？

FVいいところに気が付いたね。私もVファン、そして橘高ファンとして、Burgundyの復刻を待ち望んだんだけど、このカタログで見る限りカラーは増えてないね。

FV北米の有名なフライングVコレクターのJeffさんのホームページに、ヒスコレのカスタムカラーも紹介されていて、珍しいところだと「Pelham Blue Faded」「Sparkling Burgundy」「Silver Sparkle」 「Candy Apple Blue」「Candy Apple Red」とか。

VMあ、ヒスコレのジミヘン・ペイントモデルも、土台はエボニーブラックのヒスコレ67Vでしたよね。ハードケースの内張りがブルーでクールでした。

FVもともと67年のフライングVは、175本生産されたと記録されているらしい。35本ずつの5バッチだそうだ。

VMへええ。シッピングトータルの雑誌だと、67年に111本と69年に15本って書かれていますけど、諸説ありますね。

FVでもまあ、35本✕5バッチ＝175本説が、もっとも信頼性あると思うよ。紹介しよう。

VMバッチ毎にちょっとずつスペックが違うんですよね？　アースワイヤーの取り方とか。

FVしかしまあ、50年以上前に175本しか作られなかったフライングVというギターが、ヒストリックコレクションでよみがえるほど、長年にわたりファンを獲得していたという点が嬉しいね。

VMこの2004年のカスタムショップ・カタログ、67Vの横にFirebird Ⅰが載ってて、むちゃくちゃ萌えますよ（笑）

FVそこかね…まったく。

 次に読むなら

文・写真：FUKAZAWA VINTAGE CLUB

Twitter

掲載されている文章および画像の無断転載・引用（ソーシャルボタンは除く）は固くお断わりいたします。