Korina Vに必要なもの - 前編

1982年に復刻されたHeritage SeriesのコリーナVはブラックピックガードの印象が強いです。そこで「1982 Heritage Korina V用」に、4PLYのホワイトピックガードを製作してみましたのでご紹介いたします。気になりだすと深いGibsonの4PLYピックガード、まだまだ「追跡の旅」は続きそうです。

いよいよ1959コリーナVを製作します。長年の課題だった「2mmの4PLYピックガード」が復刻できましたので、満を持してという企画になります。前・中・後編の3回シリーズをお楽しみくださいね。

3PLYと4PLYの違いについては、「やみクロ」でもふれましたね。

やみクロ - コリーナだってば

やみクロ - コリーナだってば

2023.4.14

このカットをご記憶の読者も多いと思います。

記事掲載後は、「4PLYのホワイトは作成されないのですか?」というご質問をたくさんいただいていましたので、復刻を切望されていたHeritage Series Vオーナーの方々にも、今回は楽しんでいただける企画だと思います。

そもそも、1982年に復刻されたHeritage SeriesのコリーナVはブラックピックガードの印象が強いです。私もそうです。

Photo Courtesy of Mr. T.M.
Photo Courtesy of Mr. T.M.

ですので、なんとなく我々昭和世代(笑)には、コリーナ=ブラックガードだと思いがちでしょう。実はこれまでは、あえてじっくり「Heritage Korina V」のブラックピックガードを観察する機会がなかったのですが、画像を提供してくださったT.M.さんとやり取りしていて、びっくりしたのが「これ」です。

表がBlackで裏もBlackということは、3PLYか5PLYになりますね。驚くことに、Heritage Korina VのBlack Pick Guardは5PLYだったのです。

どおりで分厚く見えるはずです。

ギブソン社は、1982年にHeritage Korina VとExplorerを復刻するときに、「ピックガードの色はどうしましょうか?」という議論を当然したでしょう。当時はワイドピックガードのフライングVが4PLYのホワイトでしたから、同じピックガード材を使うほうが簡単です。

フライングVのルックス (前編) - ピックガードの異質性

フライングVのルックス (前編) - ピックガードの異質性

2022.1.14

4PLYのホワイトピックガードが採用されている1967年以降のFlying V

ところがギブソン社は、そのまま同じ素材を使って、無理なく1959年のスペックを再現するという手順とせず、なぜか「5PLYのブラック」を選択したのです。

ナッシュビルの老舗ヴィンテージギターショップ「グルーン・ギター」の1990年のカタログに掲載されている1959Vはブラックガード
マック・ヤスダ氏の「ヴィンテージギター写真集」に登場するKorina Vは、ホワイトが5台、ブラックが1台。右下の「Flying V/Explorer/Firebird」の写真もホワイト

私的には、「Korina Vを2本所有するなら、WhiteとBlackを各一本ずつ」にしたいところです。が、1982年のHeritage Vのホワイトガードを探すと、意外にも出会わないものなのですね。長年探してはいるのですが…。

レッドバンクスのギターショップ「ギタートレーダー」が出版していた「Bulletin」のVol.1にTim Kummer氏が寄稿した記事です。ここでは、ヴィンテージとヘリテイジのサイズや、ネックジョイントの違いについてコメントしています。ピックガードはヴィンテージがホワイト4PLY、ヘリテイジがブラック5PLYです。

ということで、Flying V 1959 Korinaの復刻なのですが、ピックガードは迷います。一本所有しているレプリカがホワイトなので、新しく製作するのはブラック…とも思ったのですが、やはりビリー(ギボンズ氏)のVを見ていてホワイトの甘い誘惑に…(笑)

さっそく4PLYのホワイトPG作成に取り掛かってもらいます。せっかくなので、コレクションの「1982 Heritage Korina V用」に、4PLYのWhite PGも製作してみましたので、ご紹介しておきますね。

1982年のヘリテージ・コリーナVはボディシェイプがヴィンテージやヒストリックコレクションと異なります。ピックガードもシェイプに共通性がなく、たとえば「角の部分」は、ジャックプレート 近くまで伸びているのが分かりますね。

気になりだすと深い「Gibsonの4PLYピックガード」ですが、まだまだ「追跡の旅」は続きそうです。

そして、この機会にコレクションのHeritage Korina Vと、Handmade Korina Vのピックガードもあたらしく2mmの4PLYホワイトに交換しようと思います。仕上がりをお楽しみに。

4PLYのホワイトピックガードは下記記事もご参照ください。

フライングVのルックス (中編) - 3PLYと4PLYのピックガード

フライングVのルックス (中編) - 3PLYと4PLYのピックガード

2022.2.25

フライングVのルックス (後編) - ピックガードの違和感の補正

フライングVのルックス (後編) - ピックガードの違和感の補正

2022.5.20

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Heritage 4PLY V White

ギブソン・ヴィンテージ復刻の狼煙となった1982年、満を持して登場したヘリテージシリーズのトリオは、こんにちのヒストリックシリーズ誕生の分岐点でもあります。1959年以来初となったコリーナボディの再来に、マニアは胸を躍らせました。Vintage Maniacsでは、そのヘリテージ・コリーナVを50'sにタイムスリップさせる「ホワイトピックガードを2mmのW/B/W/Bで復刻」させました。レトロなテイスト漂う独特なシェイプで貴方の愛機を是非ドレスアップしてみてください。リアピックアップサイドの円いエッジ、テールピースとの間にできるスペースも、つぶさに再現しています。

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