5.5キロのグラビティ - レスポール・ベース・チューンナップ

今回は想定外に重いレスポール・ベースを、Fukazawa Vintage Club流にチューンナップ。オリジナルのデザインを壊さずに、コンテンポラリーなリチューニングで、現代的なハードロック・ベースに仕上がりました。

FVこれ、どう思う?

VM見た感じは精悍なイメージがありますね。ダースベイダーみたいで。

FVそうじゃなくてさ、これこれ。この重さ。

VMうーん、想定外に重いベースって、むちゃくちゃ良い音したりするから、何とも言えないっすよ。でも、なんかいろいろいじってますよね。FVさんがやったんですか?

FVまあ、チューンナップというか、手に入れたら「生音が良かった」ので、いろいろ「よっちゃん」に相談して試行錯誤してもらったってところかな。

VM僕の記憶では、レスポール・ベースとかトライアンフって、シルバーのピックアップリングが付いていて…。

FV記憶力いいね。これだろ?

VMそうそう、これです。汎用性ないですよね、パーツとして。だってピックアップも、これに収まる形状の特殊なローインピーダンスで、「ういろう」みたいなシェイプですよね。

FV「羊羹」と言わないあたりが、君らしいね。レスポール・シリーズって、あまり振り返る機会がないから、カタログでおさらいしておこうか。

VMLes Paul Personalっていうのが、スプリットダイヤ・インレイで上級機種らしいです。

VM左肩のトグルスイッチの下にコントロールノブが付いてますが、演奏の時に邪魔じゃないですか?

VMLes Paul Professionalは、ちょっと廉価版。その隣が、見たことない人もびっくりのレスポール・ジャンボ・フラットトップ。

FV君、持ってなかった?

VMはい、持ってます(笑)

FV話を元に戻そうか。今回のチューンナップは、すごく実用的で、ベーシストとしての私の知見がいたるところに詰まっているんだ。

VMそうは見えませんけど…。

FVまず、5.5キロという重さなんだけど。モノの例えでいえば「スイカひと玉」とか「ぴかちゅうの体重」とか、「ボーリングのボール」とか、いわゆる「重い」っていうカテゴリーだ。

VM「ボーリングのボール」以外の例えは、よくわかりません(苦笑) 以前74年のフライングVが2.8kgぐらいだった記憶がありますから、まあ、ギター2本を一度に肩から掛けている、リック・ニールセンみたいな重さなんですね。

FVその例えは、なんとなくわかる(笑)

VMペグが良い感じですね。

FVHipshotの優れもの。コンパクトで軽量なうえに、ツマミが大きくてヴィンテージっぽさがかっこいい。

VMここまでくると、ペグの重さはあまり体感に関係無いような気がしますが、まあ良いでしょう。

FVでさ、ローインピーダンス・ピックアップは、好き嫌いあるだろ?

FVセットのPreampも出ていたぐらいで、なんかややこしいんだよ。

VMだから普通のハムバッカーにしたんですね?

FVギブソン製のサンダーバードPUをそのまま移植した。重低音すごいよ。

FVオリジナルのメタルリングに、サンダーバードのPUが入らなかったんだよ。どのみち左右にすき間が空くし。だから、えいやっで、よっちゃんに削り出してもらった。

VMこれはこれで、違和感ないですよ。

VMブリッジはヴィンテージのままですね。

FV再考の余地ありそうだな。

VMまあ、しかし、よっちゃんもよくFVさんの「適当な割に口うるさいリクエスト」に応えてくれますよねえ。

FV配線、綺麗だろ? 彼の人柄だな。

FVあらたに、バリトーンを作って組み込んでもらった。

FVオリジナルのデザインを壊さずに、コンテンポラリーなリチューニングで、現代的なハードロック・ベースに仕上がった。満足しておる。これで、ブラッククロウズの「Jealous Again」を演ったら、ずしっと来るぜ~。70年代に遡って、クワトロ(スージー)ネエサンにも教えてあげたいよ。

VMあ、スージー・クワトロは観たことありますよ、YouTubeで。1973年のスタジオライブ「Can The Can」ですよね。ベースのデカさが、かっこいいなあ。

FVボディがパンケーキだ。

FV70年代は、ギターもベースも、取り敢えず「石のように重いと、重低音が出るよ」みたいなコメントが、時々音楽雑誌に載っていた記憶があるが。

VMまあ、いいんじゃないですか、チューンナップで、使える音になったんだから。

FVホントはさ、MXRのPhase 90を内蔵しようかって案もあったんだけどね。

VMやってたら、このコーナーには登場しなかったですね、絶対(笑)

FVだよね。

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