「4880分の1」 レスポール・デラックス・GT(後編)

「確立された製造工程と作業標準で、同じスペックを量産」できている現在と比較して、一本一本のシェイプに微妙に作業した人の癖というか味がある。だから、ヴィンテージとよばれるギブソンには、「工業製品にも関わらず、温かみ・マチエールの感触・手作業感」があふれているんだと、多くのファンが感じているのかも。

VM(Vintage Maniacs)しかしコンディション良いですね、このデラックスは。

FV(Fukazawa Vintage Club)購入してからずっとコレクションとして大切に保管されてきた個体だから、オーナーさんの根性をリスペクトだな。

VMクリーニングも弦の張り替えもしない、どっかの人とは大違いですね。

FVえー、ひどいなあ。弦は張り替えるよ。

VM切れたら…ですよね(笑)

クロームのABR-1にブラスのフラットヘッド・サドル

FV70年代というか60年代もそうなんだけど、ミッドレンジがブリブリ前面に出てくる特徴的なサウンドの構成要素に、フラットヘッドのブラスサドルがあるね。

VM削り出しではなく成型品独特の形状も味があります。

FVお、よく観察しているね。棒状のブラスから切り出す現行の製造工程だと表現できないトップとエッジだ。失くすと手に入りにくい。クロームのアルミテールピースも同じ。

VMテールピースは、アンカー部分のサイドが角ばってます。成型後にリシェイプするので、一本一本微妙に異なる形状ですよ。

失くすと入手困難なパーツのひとつ クロームのアルミテールピース アンカー部分のエッジに注目

FV以前から気になっていたんだけど、バックプレートはどうして「トグルスイッチ側が削り出し」で、「ポット側が成型」なんだろうね。

VMポット側は生産本数の多いジュニアにも搭載されていますから、先にパーツストックがきれたんでしょう。で、追加生産するのに「おい、いちいち削り出してたら大変だから安い成型にしたらどうかね」って、新しく1969年末にノーリンからやってきた資材部門マネージャーが自慢げにコストダウン提案をしたんですよ。

FVそれ、まことしやかに「ですよ」って言ってるけど、根拠ないよね(笑)

VMはい、根拠ないです。

FVなんだか、ノーリンに対する悪意を感じるなあ…。

バックプレートはお馴染み「削り出しトグルスイッチ側と成型ポットキャビティ側」の組み合わせ

50年代のテイストを色濃く残すスイッチプレート オフホワイトのスイッチチップもこの時期独特なのでなくさないようにしましょう

独特の「白い粉」をふくサーキットの金属部分
1973年の証「137・73・23」の「73」が年代
サンドイッチボディは、弾き慣れると愛着が湧く手間のかかる工程 

VMこの「サンドイッチボディ」って、今ではできないですよね。

FV製造業の立場から考察すると、「3枚を貼り付けて乾かす時間と手間よりもワンピースのマホガニーが貴重かつコスト的にも優位だった」という事しか理由はないんだけど、面倒だよね。

VM単純に2枚の薄いマホガニーを貼り合わせるだけじゃダメだったんですかねえ。

FVなにがしか、製造側のプライドを感じる。

VMどのあたりですか?

FVうーん、まあ、なんとなく、なにがしか…だよ。

VMヒスコレで、73LPDXPBを復刻してほしいなあ、3Pネックで。もちろんマホネック。

FVPBってなに?

VMPancake Bodyの略(微笑)

ヘッドの「Les Paul MODEL」ロゴは、すでにウォータースライドに移行している
マホネックとメイプルネックの境界線

FVところで、この画像を見て何か気にならない? 

VMうーん、なんだろう。突き板が薄いとか? 

FV薄くないじゃん。

VM…ですよね。なんだろう、でも印象として薄いような…。

FV測ってみればわかるよ。13~13.5mmは薄いよね。

VM良く鳴る個体だな…と思ってましたけど、ヘッドの厚みも関係してるんでしょうか。

FVとにかく薄いね。

VM今度、70年代レスポールとSGのヘッド厚み測定大会やりましょうよ。みなさん興味あると思うなあ。

FVそうね、たしかに「確立された製造工程と作業標準で、同じスペックを量産」できている現在と比較して、一本一本のシェイプに微妙に作業した人の癖というか味がある。だから、ヴィンテージとよばれるギブソンには、「工業製品にも関わらず、温かみ・マチエールの感触・手作業感」があふれているんだと、多くのファンが感じているのかも。

VMいいこと言いますね。

レプリカ復刻のハードルが高いメタルキャップ・ノブ
再現のむずかしいマーブル・ボタン
54年Conversionと20年後の73モデル

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この「アジャスタブル・ネック・パテント」って、一見「ネックの反り修正機能のトラスロッド」と思いがちだけど、実は63年にPat出願されている、「厚さがネック基材に対して15%となるラウンド貼り指板による強度確保と製造工程の簡素化」なんだ

Coronadoっていうか、やみクロ - Pat.3,143,028A

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