レスポール・アーカイブス - フレイム三昧 (前編)

レスポール・アーカイブス「フレイム三昧」は歴代ヒストリックコレクションを当時の撮影画像でご紹介していきます。2010年頃までの個体はノブの位置や搭載されているパーツ、ポジションマークなどが黎明期の仕様で懐かしいですね。

「フレイム三昧」はVintage Maniacsが過去にチューンナップ用に入手した歴代ヒストリックコレクションを、当時の撮影画像でご紹介していきます。2010年頃までの個体です。よく見るとこの時代のヒスコレは、ノブの位置や搭載されているパーツ、ポジションマークなどが黎明期の仕様で懐かしいですね。

8-2304(2002年製:4,180g)

揺れるタイガーストライプに目の詰まったマホガニー・バック。

58モデルにも十分に良質な木材を投入できた当時がうらやましくなる一本です。角度によって、まったく違う表情を見せるトップのメイプルは、好き嫌いなく人気のあるフレイム・グレインでしょう。

58モデルの特徴は、そのブライトでキンキーなサウンドのヌケにあり、59モデルとはまた一味違った野性味のあるシリーズという印象です。

8-4219

センターツーピースの片側にだけフレイムが浮き出た、まさに「ヴィンテージにありげな」ルックスの58モデル。

退色しないチェリーが夏の陽射しによく似合う。

特段に堅そうなメイプルは、それだけで存在感がある武骨な面構えです。

「削っていたら片方のフレイムが無くなっちゃったので59→58にしました」なんてことはありませんよね。

9-0394(2010年製:4,100g)

2010年モデルは随所に細かな変更がなされ、パーツレイアウトも、よりヴィンテージに近づいています。

一方でファンの間では「マホガニーの枯渇により、良質の個体を店頭で見つけるには根気と努力が必要」という声も聞こえてきました。

そんな中で、59モデルには珍しいワイドフレイムは、デュアン(オールマン)のバーストとはリバースのダウン・ガルウイング。ちょうどBeauty of the Burstの9-1061に似た美しい表情がホットです。

トラメが十分に出たメイプルトップには、木目のあるものと、ほとんど見えないものがありますが、9-0394は直角に交錯するウッドグレインとフレックのバランスが絶妙で、ほれぼれしますね。

9-4824

この頃は、ロッドカバーの位置がちょっとだけナットから離れていてキュートですね。頻繁にスペックを変更するのに、ヘッドのGibsonロゴは頑なに同じシェイプを継続しているので、ファンの中には、チューンナップやリフィニッシュの際に、ロゴを入れ替えたいという要望も多いそうです。

フィンガーボードのローズは綺麗な木目です。

硬いメイプル材には、バキバキと音が聞こえてきそうなフレイムが刻まれ、極寒の地で育った樹木の生命力を感じさせます。人気投票をすれば相当上位のハンサムな個体でしょう。

レスポール・ヒストリックコレクションの「フレイム三昧(前編)」、お楽しみいただけましたでしょうか。トラメ撮影には、天候によって見え方が違うフレイムに合わせて、「ロケの場所」「ギターの角度」「小物」など、いろいろとアイデアをスタッフと相談する楽しみがあります。ピーピーカンカン(雲一つ無く、日光が強烈であるありさま。ピーカン)の時には、こんなポストカードみたいなショットもシャッターひとつで簡単に撮影できますから、ぜひコレクションのレスポールも日光浴がてら、屋外ロケに持ち出してみませんか?

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レスポールのトラ目の撮影 - 99年製ヒストリックコレクション
ヒストリックコレクションの品質が一気に向上したのは1999年に40thアニバーサリーと銘打って登場した99年モデルからです。非常にヴィンテージライクかつ高品質な塗装が施され、99モデルが好きというファンも根強くおられます。

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