シャープヘッド・ブラスサドルのディテール

混乱しつつも常に改善と改良を重ねる、ギブソン社の50年代から60年代。これまであまり議論されてこなかった、59年に代表されるシャープヘッドサドルにクローズアップします。

60年代サウンドの要がフラットヘッドサドルだとすると、59年バーストの「キンキーなミドル音域」を支えたのは、もしや「とがった形状のシャープヘッドサドル」ではないかと感じたマニアも多いと思います。

左が60年代、右が59年の個体

上から見ると、さらに「ヘッド形状」が違っているのがわかります。

上が60年代中期、中央が59年、そして下が60年代初期です。斜めから見ると、一番下の60年代初期は、少し59年の雰囲気を残しています。

わかりやすいように、60年代と59年を2個ならべてみたのが下の写真です。スダレ模様も、59年と60年代は大きく異なりますね。

せっかくなので全方向から見てみましょう。

作業のていねいさでは、やはり59年サドルは群を抜いています。

ヘッド形状やスラント角度から、当時「弦が切れる」ことが多発したのかもしれません。そうすると「ノンワイヤーだからサドルが落ちる」 → 「改善せねば!」となり、月例の品質会議席上で、技術主査は「サドルのヘッドを少し削って平らにしましょう。そして、ブリッジに針金をつけてスクリューごと固定すれば、一気に問題が解決します」 おおお、すばらしい。満場一致となるわけです。 

この時は、まさか「この改善がサウンドに大きな変化をもたらす」とは想像しなかったでしょう。

変更された60年代フラットヘッドが生み出す、歪系のドライブ感あるSGサウンド、マイケル・シェンカーの空間を舞うようなFVサウンドもファンが多いですね。明らかに59バーストのキンキーなサウンドとは異なると思っています。

随分と形状が違います。みなさんは、どれが何年かわかりますでしょうか。

とにもかくにも、これまであまり議論されてこなかった、59年に代表されるシャープヘッドサドル、画像を中心に深堀りしてみました。

混乱しつつも常に改善と改良を重ねる、ギブソン社の50年代から60年代ですが、小さなブラス製パーツひとつにも、後年ヒストリックコレクションのディテールを左右するサウンドのシークレットが隠されている気がしています。

最後に余談ですが、59年まではスクリューも随分と手をかけていて、ヘッド形状がラウンドしているのがわかると思います。

スクリューエンドの長さも違いますね。

左から59年、61年、65年
一番上がワイヤードになってからのスクリュー

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