音の本棚 - 本当は大好き70’s

カラー写真が沢山あって、資料としてずば抜けて便利なムック本『ストラト・セヴンティーズ』をご紹介。70年代のストラトキャスターを「やみクロ」で観察しつつ、本の内容とも見比べていきます。以前紹介した山野楽器謹製フルカラーカタログの別バージョンにも注目。

Strat. 70’s(ストラト・セヴンティーズ)

VM (Vintage Maniacs)思い出したように、時々「ストラト」ですね。

FV (Fukazawa Vintage Club)うーん、前回の「山野楽器謹製Fenderカラーカタログ」が好評だったから、最近よく読んでいる『Strat. 70’s(ストラト・セヴンティーズ)』というムック本を紹介しようと思ってね。

VMそれにしても、もうちょっと綺麗な70年代のストラトを持ってきてくださいよ。

FV音優先だからなあ、フェンダーのギターを買うときは。ギブソンは、概ね「見た目」で決めているけど。ストラトは音。これ、カッティングがいいんだよ、70年代っぽいギンギラのシャリシャリの。

VMそういえば、FVさんがギブソンを弾いてるところって、ほとんど見ないっすね。いつもストラトかテレキャスだ。それにしても、もうちょっとコンディション良い方が…。

FVまあまあ、あとでお楽しみもあるから。

VMこの本はカラー写真が沢山あって、パーツや付属品のクローズアップもアングルとか的を射ているので、参照資料としては、ずば抜けて便利です。

FVブラックケースも、きちんと年代ごとの写真で分かり易い。

VMあ、ほんとだ。でも岩撫さんのストラト本も50~60年代の説明は丁寧でしたよ。

FVやっぱり70年代って、あまりヴィンテージとして着目されてこなかったからか、図鑑的な資料が少なかったし、ギターはギターでパーツ交換とかハードケース入れ間違いとか…。

VMで、FVさんのこのハードケースは、ギターの年式とあってますか?(笑)

FVえ~と、なになに、「Type B 66年頃からのプラスチックエンブレム期に続き、69年頃から登場したアンダーライン入りエンブレム期の仕様。このように内装の底部にクッションが付くのは73年頃からのことだ。このタイプまで取っ手は金属製(合成皮革巻き)」だったそうだ。

VM「底部クッションあり」で「取っ手は金属製」ですから、69~73年頃。ギターと合致しますね。ケース両サイドの補強素材に本革が使われていて良いなと思います。

FV実用性重視で「Schaller M6 Mini」に交換されているフェンダーが多い中で、ペグはオリジナルのままだ。

VMFキーってよばれるタイプですけど、3種類あるんですか?

VMシャフトがニッケルメッキのタイプは、Klusonから移行した最初のモデルですね。

FVそう書いてある。そして、シャフトもクロームになるのが70年代初期か。

VMところで、今回ってVintage Maniacsっぽくなくて、本のページをめくってスペック眺めてるだけですよね。つまらないなあ。

FVプログレッシブロックは、盛り上がるサビまでに、イントロが10分ぐらいあるんだよ。もうちょっと辛抱して(笑)

VMじゃあ、僕だけで「やみクロ」やって、時間稼ぎしておきますので、なんか、うおーっていう「音棚のページ紹介」にしてくださいね。

FVはいはい、合点です。

70年代のストラトキャスターので「やみクロ」

VMということで「やみクロ」なんですけど、まずはハードケースの取っ手部分。これは、近年リプレイスで出ている「リベット止め」タイプではないので、壊れたら厄介です。

VMギター本体は使い込んでるっぽい雰囲気出していますが、電気系統がバージンなのは嬉しい。

VMそして、いくらエイジドが流行っているからといって、自分でわざと汚したりキズつけたりすると、とんでもないことになります。

VMえーっと、それと「ネックプレート」も見てみましょう。 あ、ジョイントスクリューを外すのを忘れたので写真がありませんが、大き目のネジが…。

FVどう? 終わった?

VMすみません~~、助けてください。「クローズアップ」しても、いつものFVさんみたいな、ミクロなチマチマした発見をマクロに長々解説するっていうか、ニッチでマニアックな説明が全然できなくて行き詰まってます。

FV褒めてるの?(笑) 心配しなくても大丈夫。私が解説しても大差ないよ。

FV「ネジはギブソンよりも、ひと回り大きいですね」ぐらいしかポイントないから(笑) 「ギター用ネジのお話」で比較しているので、参考にするといいよ。(Vintage Maniacs Magazine Vol.1 にも掲載)

VM助け舟、ありがとうございます。あと何か見ておくところはありますか?

FVピックガードを外して中の詳細とか見ておくべきなんだろうけど、「あー、ピックアップが交換されてました!」とか失望するのが嫌だから、フェンダーのギターは、音が気に入ってたら、ほとんどパーツのチェックをしないなあ。ピックアップも。

VMトレモロブロックごとリプレイスされている個体も多かったですからねえ。

2バージョンあった、「モデル+ロケ」の山野楽器謹製カタログ

FVそれでは、「あとのお楽しみ」と言った部分に移ろうか。

VMインターナショナルカラー・シリーズですか? ボディカラーの命名がすごいっすよ。

  • アークティックホワイト
  • モロッコレッド
  • モナコイエロー
  • マウイブルー
  • カプリオレンジ
  • サハラトープ
  • キャセイエボニー

VMどれも無理やりっぽいから、そのあと普及しませんでしたね。

FV説明してるところ悪いんだけど、私が紹介したかったのは、「モデル+ロケ」の山野楽器謹製フルカラーカタログに、2バージョンあったという事実だ。

VMあの、「一年かけてロケやっているうちに、ジャガーがカタログ落ちした」っていう伝説の?

FV実は、こっちが初代のバージョンで、前回紹介したのはセカンドバージョン。

VMってことは、1回目には「年間ロケは失敗と気づかずに、2回目を敢行した」ってことですね?

FVおいおい、失敗かどうかは、今から見てみないと。

VMあ、モデルさんが二人ですよ。このショットは問題なさそうです。

FVこれはどうかな?

VM撮り鉄さんのコメントを聞いてみるべきですね。私には理解できません。

FVこっちは、かなり命がけで、楽器にとってもヒヤヒヤのショットだが、どうやら左に位置する女性が、セカンドバージョンに登場する「平山泰代さん似」のモデルさん?

VMFVさんが、このカタログを持ってないのが不思議です。

FVいやあ、記憶になくて。『Strat. 70’s』で発見したときは、自分の未熟さを思い知ったよ。

VMいちど、岩井さん(Strato Crazy)に聞いてみましょうね(笑)

VMあ~、ここ見てくださいよ、二人が「ハッパ」やってますよ。いくらヒッピー文化の70年代で、ウッドストックでジミヘンだからって、カタログで「ハッパ」は、まずいでしょう?

FVあほか、君は。「シャボン玉」だろ?

VM「シャボン玉」って…全然、エレキギターと関係ないっすよ。

FVこれも、関係ないだろ?

VMやらかしてますね…バチあたりだ。神聖な場所で、ちゃらちゃらしている。

VM『リング』(FVさんの同級生、一瀬隆重さんプロデュースのホラー映画)に出てくる心霊写真っぽいカットも入ってました。

FVまあ、今となっては知る由もないが、当時このカタログ制作にかかわった人たちに、フェンダーの楽器について何を感じたか、インタビューしてみたいなあ。

VMノスタルジックですね。

FVファンキーだよ、サイケデリック。

VMいずれにしても、今回は「Strat. 70's」の内容にいく前に、フェンダーの懐かしいカタログでまたもや足踏みしてしまいました。最後に、僕が一番気に入っている、今回の「クローズアップ」で〆させていただきます。

FVあ、終わっちゃうのか。

 次に読むなら

やみクロ - そういえばジャガー(追記)
四季折々のシチュエーションで豪華なロケ撮影をした山野楽器のフェンダー・カタログ。そこに掲載された不思議なプライスリストや、ちょっと気になるギターの説明文などを、FVさんと一緒に見てきます。

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