赤い彗星 - Candy Apple Redのコリーナ・フライングV
機動戦士ガンダムの「赤い彗星」ことシャア・アズナブルを彷彿とさせる、Candy Apple RedのフライングVにクローズアップ。色物コリーナVの都市伝説やマニアックなケースのネタなどをガンダム名言とともにご紹介します。
目次
脇役にも存在感があるのが、ガンダムとギブソンの共通項
FV (Fukazawa Vintage Club)「あんなの飾りです!偉い人にはそれが分からんのですよ!※1」
VM (Vintage Maniacs)おおお、のっけからなんですか、どうしたんですか。
FVいや、真っ赤なクルマとフライングVを見ていたら、ついシャアの「赤い彗星」を連想してね…撮影してみた。
VM赤いメカを見ると、いてもたってもいられませんね。そういえばFVさんは日常生活でも、よく「ガンダム名言」がでますね。パシフィコ横浜のギターショーで、57 Classic見ながら「ザクとは違うのだよ、ザクとは!※2」って、のたまってたの、覚えてますよ。
FV若かったな(笑)
VM冒頭のセリフはジオン軍のメカニックのセリフですね。
FV脇役にも存在感があるのがガンダムとギブソンの共通項だと思ってるんだが、どうかね?
VM「どうかね?」って聞かれても答えようがないっす。まあ、フライングVなんて59年当時の生産本数をみれば、脇役にもなっていなくて、ただの通行人ですよ。そんな事より、危ない事してると、またギター落として壊れますよ。(筆者注:Vファンの皆様、VM君の暴言をお許しください)
FVこのメダリオンVさあ、交換したメタルボタンのペグとノブをオリジナルに戻したいんだよねえ。
VM「認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを…※3」
FV(爆笑)
色物コリーナVの都市伝説
VM赤白黄色と3本ならんでますが、今回はレッドのZ4にちなんで、「赤い彗星」こと、Candy Apple RedのコリーナVをご紹介しましょう。あ、写真のギター、小さいなあ、写りかたが。
FV「素人め!間合いが遠いわ!!※4」
VMす、す、すみません。こんな感じでどうでしょう。
FVオーケー。
VMなんかやりにくいなあ、今回は。FVさん、色物コリーナVの都市伝説知ってます?
FVあれだろ、ネックが抜けるっていう。
VMそうなんですよ。確かモダーンですよね。Aシリアルはネックテノンにつける接着剤の量が不十分で、店頭で「スポっと、セットネックの付け根から抜ける」っていう。で、荒井貿易から本国に送還された個体は、色物となって再入国しているらしいって。
Gibsonは60年代後半のSGでも同じ品質不良をやらかしています。
SG解体新書 - とんでもない品質の“やっちゃったギブソン”
FVそれ、ほんとだよ。私のギター日記によると、荒井貿易の黒田さんが、1985年の2月11日にMGM(西宮北口にあったヴィンテージギターショップ)の店頭でそう説明しながら処分販売品を5本置いていった。シリアルはスタンプしなおされてるって。
VM知らずに買った個体が、接着不良のそれに当たったら大変ですよね。
FV「当たらなければどうということはない!※5」
VMそれって、第2話でガンダムのビームライフルに対してシャアが発した言葉ですが、裏を返せば「当たったら大変だよ」ってことなんじゃ…?
FV無責任ともいえる発言だな。
VMこのCARはDシリアルですが、ネックが抜けたファクトリーリフィニッシュってことはないですか?(笑)
FV「そういう言い方好きだぜ※6」
VMネックポケットを見ると、CAR塗料はオリジナルっぽいですね。
FVMGMで当時購入したファクトリーリフィニッシュのモダーンは、この部分が塗りつぶしで、クリームホワイトの上からマジックで#が書かれていたからね。
VM気になるのは、ペグなんですけど…。
FVそうそう。裏から見るとクルーソンっぽいけど、表から見るとスクリュー式のブッシュ。
VMこれって、モダーンもクルーソンっぽいスクリュー式ブッシュのペグでしたけど、Vのは裏側から見るとGibsonロゴが入ってないですよ。Vが、よりヴィンテージっぽいアプローチなのがわかりますけど、VとEXとモダーンで、ちまちまパーツスペックを変えてる場合じゃないと思うんですよねえ。当時WMS(Warehouse Management System:コンピュータを活用した倉庫の棚管理・入出庫管理のシステム)も無い手管理の時代に。
Candy Apple RedのコリーナV
FVそれはさておき、Korina V CARをクローズアップしていこうか。
VM最近でこそ、ブラス製のVテールピースが、ドイツのパーツショップや中国製で入手できるようになりましたけど、当時この復刻は衝撃的でしたね。
FVコリーナのナチュラルにゴールドも似合うが、CARに映えて豪華だな。
VMまさに「赤い彗星」ですね。
FV指板のローズウッドも、木目が美しくてハカランダと見間違うほどだ。
FVコリーナシリーズを解説するときに忘れてはいけないのが、縦に入るクラック。この時代だけの特長だよ。
VMこの復刻版コリーナVの特長として、普通のギブソンのセットネックになっている点があげられると思います。後年のヒスコレでは、よりヴィンテージに近い形で、ジョイント部分の裏側にボディが回り込んでいますから。
FV「ようく見ておくのだな。実戦というのはドラマのように…※7」
VMそのセリフ、使う場面が全然フィットしてないですよ。
FV「見えるぞ…私にも見える※8」
VMだから、合ってないですよ。写真と。もう!
FVABR-1はDJマーク無しの、70年代後期からのスペックだね。このあたり、実はパーツを交換する際には注意しないと。DJマーク入りだったり、ABR-1刻印のプレ・ヒスコレだったり。
VM気になりますよね、そのあたりのパーツスペックは。
VMネジはカラマズーの古いレフトオーバーを使っていますね。あまり知られていませんが、ここはポイント高いです。
FVあと、特筆すべきはハードケースのキー。これってマニアはわかると思うけど、ブラウンケースのキーなんだよね。まったく同じスペック。
VMってことは、ハードケースのラッチがヴィンテージと同じヤツってことですかね。
FV「ま、間違いない…ヤツだ。ヤツが来たんだ!※9」
VM……。80年代初期って、いまからすでに40年前ですから、1958年~1982年までの24年間よりも時を経ています。それを考えると、59ヴィンテージとかが復刻されたこの時代って、すっごい昔ですよ。そもそもWindowsとかiPhoneとかデジタルカメラとかありませんでしたから原始時代ですよね。待ち合わせに遅れたらランデブーなんてできないですし。彼女を梅田の阪急ファイブの入り口で2時間またせちゃったり。寝坊して「と…取り返しのつかないこと…取り返しのつかないことをしてしまった※10」って。
FVいまなら、「ごめん、家を出るの1時間遅れるから、ゆっくり来てね」で終わり。ところで、君、阪急ファイブとかボトムライン(ディスコ)とか、知らんだろ?
VMええまあ、いつもFVさんが言ってるのを小耳にはさんで(笑)
FV今回締めくくるにしても、そもそも取り留めないの内容だから、やりにくいけど、どうだった?
VMえ? カッコいいと思いますよ、新しいZ4。Z3から比べるとなんとなくどんどんでかくなる感じが、まっちょで。
FVうーん、そこかあ。インプットジャックとか、独特の樹脂カバー付きタイプなので、クローズアップして見ておくよ。
VMノブも、このシリーズ独特の撫で肩ですから、失くすとオークションでも出ないですね。
VMピックアップはNew PAFの最初期ですから裏がまだ刻印ですね。
VMそして、なによりもこの個体は「取れやすいハンドルがオリジナルで残っている」レアな個体です。
FVeBayだと、最近はこのブラウンスリムVケースが700ドル以上してます。探している人にとってはえらいことだ。
VM「ふん…冗談はよせ※11」
FVおあとがよろしいようで(笑)
※1 あんなの飾りです!偉い人にはそれが分からんのですよ!
第42話、シャアがジオングに足がついてないことを指摘したことについて、ジオン兵。B.C.Richのコントロール自慢をする音楽部の先輩に若干18歳の私は心の中でつぶやいた。
※2 ザクとは違うのだよ、ザクとは!
第12話、ガンダムと対峙したとき、ランバ・ラルが吠えた。本当は「パフとは違うのだよ、パフとは…」と言いました(笑)
※3 認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを…
第1話、ザクを破壊されて引き上げるときのシャア。4ボルトのストラトにハンバッカーを載せてしまった学生時代の自分にむけて。※10のアムロのセリフとセットで。ぜひ。
※4 素人め!間合いが遠いわ!!
第3話、ガデムがガンダムに向けて言い放つ。ギタトレで延々「天国の階段」と「スモークオンザウォーター」を試奏する私に、普段温和なよっちゃんが、一言。
※5 当たらなければどうということはない!
第2話、シャアがビームライフルの威力におじけづく味方を鼓舞する、カッコいいセリフ。一方で「当たれば大変な被害」という意味では、メルカリで「ポチ」してしまったHeritage80が石のように重かったとき。第1話のV作戦を知った際のシャア「私もよくよく運の無い男だな」の併用で、すこし気楽になれた。
※6 そういう言い方好きだぜ
第27話、アムロの台詞に、カイ・シデンがつぶやく。接待カラオケで私が歌い終わった時、取引先の若手が「いい歌詞ですねえ」って言ったので(実話ではありません)
※7 ようく見ておくのだな。実戦というのはドラマのように格好の良いものではない
第34話、コンスコン部隊とホワイトベースの戦いを見物しているララァに。久しぶりのライブでジェシカのイントロをしくじった私が、見に来てくれた部下に照れ隠しに放った、上司の威厳を保つ決めゼリフ。
※8 見えるぞ…私にも見える
第42話、ア・バオア・クーでアムロを感知したシャア。店頭で58プレーントップに、うっすらトラメを見つけたとき。
※9 ま、間違いない…ヤツだ。ヤツが来たんだ!
第29話、赤いズゴックの動きを見て、アムロはシャアだと確信する。
※10 と…取り返しのつかないこと…取り返しのつかないことをしてしまった
第41話、アムロがララァを死なせてしまって…。
※11 ふん…冗談はよせ
第42話、ギレン・ザビが、銃を向けるキシリアに発した最後の言葉。返した言葉が「意外と兄上も甘いようで」
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