ロッドカバー特集 最終回 - トラスロッドカバーかく語りき 後編 その4
全8回にわたってお届けしてきた「トラスロッドカバーかく語りき」の最終回。著者も実物を見た記憶のないGibsonのレアなモデルのロッドカバーなど、今回もマニアックなラインナップをお楽しみください。
目次
ロッドカバー特集の最終回
VM(Vintage Maniacs)いよいよ、長ったらしい自慢企画の「ロッドカバーかく語りき」も、やっとのことで最終回を迎えることができました。
FV(Fukazawa Vintage Club)トゲがあるなあ…でも、小さなベルシェイプのパーツひとつにも、ギブソンの歴史が窺えて面白かっただろ?
VMそうですね、実際に「触ったことも聞いたことも無いギブソンの名器」が、隠されているかもしれないって、ワクワク感がありますね。
焼き印ロゴのFirebrand
FV「Firebrand The SG Deluxe」って、何が言いたいかわからないぐらい迷走した型番だね。The SGのDeluxeに、ヘッドを白蝶貝ロゴでなく焼き印みたいなマークにした超不評モデル。音は良かったけど、みんな「あのロゴ、パチモンちゃうか?」って、楽器店のショーウインドウを眺めてたよ(笑)
VMFirebrandって、SGやLPだけでなくES-335っぽいシェイプのも出てました。別に廉価版って訳ではなさそうなスペックですが。
FVグレッチにFirebrandってあったから、真似たのかね。
VMそちらは焼きゴテっぽいマークが、ボディにでっかく「G」って入っていてカウボーイっぽいですけど、GibsonのFirebrandは火事で焦げた感じ…。
かわったモデルとレアなロッドカバーいろいろ
FVXR-2は、ポールピースが無いファイヤーバードのようなミニハムを2基搭載した、綺麗なフレイムメイプルトップのレスポールで、個人的にはすごく好きなスペックだった。
VMミニハム好きにはたまらないですよ。
VM次の2枚は3点止め。初めて見たときは改造かと思いましたよ。天下のGibsonが、こんな辻褄合わせをするとは思えず。
FVお、前回話題に出たSONEX-180。これは到底Gibsonとは思えんだろう?
VMへんなギターといえば、ファイヤーバードがひしゃげたような出で立ちのRDシリーズ。ボブ・モーグ開発の基盤搭載とかなんとか、シンセサイザー時代に対応する研究開発成果!って、大ごとになってましたが、弾いてみると普通のギターでしたね(笑)
FVRD CustomとかRD Standardとか。Standardは普通のパッシブで、Artistが複雑な回路搭載。
FV2007年に復刻されて、びっくりした。北米では人気あるんだそうだ。RD Artistのヘッドの突き板がずいぶんあまったらしいよ、余談だけど。
VMせっかくの最終回だから、どんどん見せましょう。
FVなんか嬉しそうだね、最終回が。
VM気のせいですよ、やだなあ(笑)
FVそうだ、「 後編 その2」で紹介できなかった、同じフォントのJ-45とJ-50が出てきたから見てくれ。
VMはい、見ました。レアなのはわかりますが…次いきましょう。
FV……。
レアなベースのロッドカバー
VMお、ベースですね。
VM「EB」は良いとして「OL」は?
FVワンピックアップのSGベースでロングスケール。このロッドカバーの頃は、たしかスロッテッド・ヘッドストックだと思った。EB-650は90年代に発売されたダイヤモンドホールのセミアコっぽいベースだが、実物を見た記憶がないぞ。
VMなんかレアすぎて、説明聞いてもギターやベースのイメージが追い付かないっす。
Artisan、ES-175/CC、GIBSON、S-1、FF-82
FV左から順番に丁寧に解説するよ。
FVまず、Artisanはレスポール・アーティザンというモデルで、キンクスのギタリストとかが持っていた。ある意味「レスポール・カスタムモデルの高級バージョン」。ヘッドやフィンガーボードにフラワーインレイが入っていて豪華だった。
FV次のCCと入っているES-175は、フロントに重厚なチャーリー・クリスチャン・ピックアップを搭載した限定モデル。当時はジャズ系のギタリストにまろやかな音色が好まれて人気があった。大村さんが甲南大学時代に、ナカイ楽器で購入したのを見せてもらった記憶があるよ。
FVこれは、実はれっきとしたGibson純正のロッドカバーなんだよ。店頭プロモーション用のギターに搭載されていたのを、頼み込んで譲っていただいた。
FVS-1は、KISSとかロン・ウッドの使用で有名になった未来型Vヘッド搭載のギター。Marauderとかミッドナイトスペシャルとか、いろんなバージョンがあったから、ロッドカバーの文字も何種類かある。
FVレアすぎるぐらい日本のファンにはなじみのないFF-82だけど、コリーナのヘリテイジシリーズで、Flying VとExplorerに付けられていたロッドカバーだ。個人的な記憶では、FF-82はナチュラルよりもメタリックレッドやホワイトなどの塗りつぶしカラーが多かったような。
最後を飾るのはSG Customのロッドカバー
VMいやあ、前後編合わせて8回の連載企画、お疲れ様でした。
FV飽きずにつき合ってくれてありがとう。
VM途中、中だるみしそうになりましたが、結果的には「よっしゃ、Googleで画像検索だ!」って興味を惹かれるモデル名が沢山出てきて楽しかったです。
FV私も、今回あらためてギターやベースのモデル名を調べ直していて、手元に資料の少ないLes Paul Recordingを細かに解説している方をネットで見つけたりと発見があった。
VM最後を飾るのは…。
FV今は亡き、兄の愛器。神戸の震災で損壊したSG Customのロッドカバー。遺品だよ。
VM本体どうしたんですか?
FV壊れたまま保管してあるよ(笑)
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