キーの巻

漠然と「似た型」と思っていた、ハードケースの鍵の束。年代別の違いがあるのか、無いのか。鍵をかけることがあまりないからなのか、めったに議論になることがない。今回は、そんなケースキーの謎にクローズアップしてみよう。

ギブソンのハードケースのラッチに鍵が付いている。「大事なギターだから、ケースを勝手に開けて盗まれたりしたら大変だ」という配慮からだと思うが、これは本当に必要だったのだろうか。ブラウンスリムケースにも、ブラックケースにも、四角いケースにも、ちゃんと鍵が付いている。

ギターが盗まれないように…と、用心して施錠したとして、盗難者ははたして「鍵が掛かっているなら盗むのを止めよう」と思ってくれるものか。あるいは、「ケースごとだとバレるから、中身だけ別のケースにいれてしまえ!」という輩を阻止できるからかもしれない。

この「Excelsior」の鍵は、もともと50年代後期のブラウンスリムケースに付属していたものだが、「えいやっ!」で差し込んでみたら、60年代後期のブラックケースにも合うではないか。

漠然と「似た型」と思っていた、この鍵の束には、年代別の違いがあるのか、無いのか。コレクターの間で、めったに議論にならないのは、そんな事を気にしなくても、鍵をかけることなど、いまさらないのだろう。

でも、気になったから調べておくしかない。

70年代のアーティストケースには、どうだろう。

ドンピシャ、合うではないか!!

「似た型」ではなく、なんと「6K11」ばかりである。

そして、よく見ると最上段と中段は、キーの左右が逆になっているだけだ。

古いものは、表側のロゴやデザインがシンプルだけど、番号の「6K11」は同じ。

スタンプもロゴも刻印もない「のっぺり」したキーが混ざっていたが、ならべてみると「6K11」とシェイプが違う。

しかし、こうして集まっている「鍵」はあるのだが、そもそもの相方であるハードケースは、どこに行ったのか。

チェックを続けよう。50年代のブラウンケースを閉めてみた。ちゃんと閉まったし、開いた。

鍵をしまっていた紙箱には、その昔、自分で書いたメモが…。どうやら「10K2」は、マーチンやオベーションの成型ハードケース用なのだろう。

そうだった、だんだん思い出してきたぞ。確か、紙箱がもうひとつあったはずだ。フェンダーのケース用の鍵を入れたやつだ。ほら、これこれ。

「CHENY」って刻印されているように見える。裏側は「30」だ。

やってみたら、これで「Fender」も「PRS」も開いたけど、全部の年代を試した訳じゃないから、ツイードケースも開くのかわからない。取り敢えずのご報告だ。

中には、謎の番号をもった個体も混ざってたりするので、いつかこの「xxxx」番号とハードケースのマッチングチャートを作ってみたい次第。

今回は、中途半端な回で恐縮である…。

追)「40」ってのも混ざってた。

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