ギブソンEBベース・シリーズの魅力
ジャック・ブルース(EB-0)やフェリックス・パパラルディ(EB-1)など、往年のロックバンドを支えたベーシストに愛されたギブソンのベースを写真でじっくりご紹介。
目次
ヴィンテージ・ギブソンの魅力はエレキギターやアコースティックギターだけではありません。ジャック・ブルース(EB-0)やフェリックス・パパラルディ(EB-1)、マーティン・ターナー(サンダーバード)など、往年のロックバンドを支えたベーシストに愛された重低音のブルージーなサウンドは、今なお多くのミュージシャンによって再現され続け健在です。
筆者は日ごろヴィンテージギターについてお話する機会が多いのですが、自身がベーシストであることから、すこしギブソンのエレキベースについてもご紹介したいと思います。
ピックアップとカバー
ギブソン・ベースの魅力は何と言っても、重低音を弾き出す大げさなピックアップです。
基本的なサイズは1950~1970年代まで同じですが、50年代はブラックのピックアップカバーで、60年代にはメタルカバーに変更されています。
EB-0とEB-3
では、50年代のEB-0から見ていきましょう。ピックアップカバーは樹脂製です。
ブリッジは一体形成のバータイプで、あまり微妙なピッチは調整できません。
ペグは初期のバンジョーペグから、すぐにフェンダータイプのつまみが大きいものに変更されます。
このEB-0は、ギターのレスポール・ジュニアがSGジュニアに変更されるのと同様に、ボディシェイプがSGとなります。
このSGシェイプとなってからのEB-0は2ピックアップとなってEB-3と呼ばれ、ロングスケールやショートスケール、スロッテッドヘッドストックなど、多くのバージョンで長年にわたって生産され続けています。このあたりは機会をみてゆっくり紹介したいと思います。
ヴァイオリンシェイプのEB-1
一方、ギブソン社初代のエレクトリックベースは、1956年に登場したマホガニー削り出しのヴァイオリンシェイプを施したEB-1で、1969年に限定で復刻されています。
写真は2台ともに1969年の復刻版です。
この頃になると、ブリッジもオクターブピッチ調整ができる複雑な機構のものが搭載されています。
通常はブリッジカバーが付いています。
ネックジョイントやサイドジャックは、レスポール・ジュニアっぽいですね。
ロッドカバーには、丁寧に「Electric Bass EB-1」と彫られています。
ペグはセンターリグのシャーラーで一見ギター用と見間違うくらいコンパクトです。意外にヘッドへの重量負荷は少ないようです。
セミアコタイプのEB-2
セミアコースティック・ベースのEB-2は、登場した50年代はさほどポピュラーではありませんでしたが、60年代になるとサンバーストカラーが白黒テレビで見栄えが良かったのか頻繁に表舞台に登場し始めます。次の写真はどちらも再登場した60年代中期~後期のモデルです。
フィンガーレストとスクリュー
ギブソンのベースには、当時フェンダ―社のジャズベースやプレシジョンベースでも標準装備だったフィンガーレストが付いています。フェンダー社と違い、ギブソンは丁寧に一つ一つローズウッドやエボニーを削り出した木工製品です。
黒いピックガードのモデルにはローズウッド、サンダーバードなどの白いピックガードのモデルにはエボニーカラーに着色したローズウッドが使われていたようですが、途中からは規則性がなくなっているようです。
スクリューは、溝が途中まで切られている50年代タイプが継続して60年代後期まで使用されていますが、これはおそらくパーツが大量に残っていたためでしょう。
いかがでしたでしょうか。まずは特徴のある代表的モデルをならべてみましたが、SGベースはバリエーション豊富ですし、サウンドも癖があるので年代別に比較してみたいと思っています。ご期待くださいね。
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