EBは奥が深すぎて…の前編

ギブソン社のEBベースは、ブリティッシュロックの全盛期に重厚かつメリハリのあるサウンドで世界中のベーシストを虜にした、ロングランの名器です。50年代に登場して以降、沢山のバージョンがあるEBシリーズを、前後編に分けて振り返ります。

ギブソン社のEBベースは、ブリティッシュロックの全盛期に重厚かつメリハリのあるサウンドで世界中のベーシストを虜にした、ロングランの名器です。小ぶりで愛らしく、軽量なボディとギターっぽいネックグリップは、触れたその瞬間から「そばに置きたい」と思わせる魅力にあふれていますね。みなさんも、スタジオにしれっと置かれたSGシェイプのベースをポロポロと弾いてみて「欲しい・持って帰りたい」と思ったことがあると思います。

実は、このEBシリーズは、50年代に登場して以降、「あれこれと試行錯誤」しながら沢山のバージョンを上市していますので、なかなか文字で「EB-Ⅲ」と記載しても、実際に「どの年代の、どのスペックなの?」と、非常にわかりにくいのです。まあ、ギターのSGでも、ピックガードがワイドになったり、シングルに戻ったり、時代ごとにマイナーチェンジされるので、ギブソンのややこしさはEBに限ったことではないのですが。で、今回は、そんなEBシリーズを、ギブソン社のカタログや、音楽雑誌の広告で振り返りながらの前後編です。

ギブソンEBベース・シリーズの魅力

ギブソンEBベース・シリーズの魅力

2015.7.31

まあでも、日ごろ皆さんはバンドのベーシストがどんなモデルを使っていたか、なんてあまり気にされていないと思うので…(笑)

ベーシストの筆者としては、ライブ後の打ち上げで、「さて皆さん、ここで質問です。今日、僕はプレべだったでしょうかVベースだったでしょうか」って質問しても、ファンの娘達ならまだしも、ギターの安田君でさえ「SGベース?」みたいな具合ですから、誰も気にしてないといえば、そんなところです。

えっと、たとえば、この広告写真(1990年代初期です)を見てみてください。

(1)と(2)が同じ「EB-Ⅲ」と言われてもPGシェイプ違うし、ちょっと違和感あります。一方で、(3)の「EB-0」に至っては、ブリッジ側のミニハムバッカーを見逃すと「三本おなじやんか」って印象、ありませんか?

別の広告を見てみましょう。

これは、右側の「スロッテッド・ヘッドストック」が、EB-Ⅲに見えますが、表記をみると、どうやらピックアップ増設のEB-0みたいですね。インターネットの無い時代は、発売日には、じっくりと雑誌広告の細部まで見つめ続ける、戦いのような時間帯です(笑)

2ピックアップは、デザイン・レイアウト的に安定感がありますね

本題にもどりましょう。EBシリーズを整理すると、こんな感じで良いでしょうか。(EBのピクチャーアーカイブって、なかなかないので、コレクションされている読者の方、ぜひギャラリーに愛器の写真を投稿して、解説してくださいませ)なんか、たくさんのバージョンがありますね、意外に。

クリエイションのリズム隊、松本繁氏のEBベースは、右用をレフティにしてプレイ

EBシリーズエイヤ!で纏めました

EB-0

50年代はダブルカッタウェイのLPシェイプ のちにSGシェイプへ移行 1ピックアップ

EB-0F

Fuzztone搭載

EB-0L

ロングスケール

EB-1

突然ヴァイオリンシェイプで登場商品企画の意図不明

EB-2

335フォルムのベースバージョン

EB-2D

2PUバージョン

EB-3

2ピックアップバージョン

EB-3L

ロングスケール

EB-4L

1972年に登場したEB-0のロングスケール・バージョン+トーンセレクタースイッチ

EB-6

6弦バージョン

EB-番外編

近年は、ネットでヴィンテージギターを購入するときにも、ショップの皆さんが、高画質な画像と丁寧な詳細説明を掲載されているので、すごく分かり易いですし、YouTubeでサンプル音源を聴くことも出来ます。手元にある90 年代の雑誌広告を眺めていると、当時はこの小さな写真と一行の商品説明を頼りに、電話で「買います!!週末までホールドしてください!!絶対に買いますから!!」という叫びを受話器に向かって連呼してましたねえ。

2本まとめて買います!(笑)
ダブルピックガード、当時欲しかった。一歩違いで売れていました。
もっともEBらしいサウンドを誇り、良質なホンジュラス・マホガニーとハカランダ指板というスペックが評価され、60年代初期のモデルは、当時から高評価でした。
お、みつけました「EB-4L」です。なんと10万円以下とは…。
ずっと見ていて飽きない、広告のスクラップブック。
チープ・シリーズと揶揄されたSBトリオ左2本は、ギター用のハムバッカーを流用している
SB-300と400は、ボディカラーが違うだけ?
SG200がギター、SB400がベース

特別寄稿

Maru-sanから寄稿いただいた貴重なEBシリーズのお写真を紹介いたします。特に「SGのハードケースに入ります」は、筆者も驚きの新発見。貴重な情報とコレクションのご紹介、ありがとうございます!

こんばんは!65年EB-3です。😊

これは知られていることかもしれませんが、60年代のビンテージEB-3は、SGのギターケースに入る!という、ケース付きを買えなかった人の対応策写真を送ります!

ケースによってはネジを外して少し加工をする必要がありますが、EB-0も入ります。

71年EB-3スロテッドヘッドは、35年くらい前にマルコシアスバンプの佐藤研二さんより譲り受けたもので、表面にピンクの紙が貼ってあるなど随所に佐藤さんにしかないカスタムが施されています。

このベースはマルコシアスバンプがメジャー1st.アルバムのレコーディングで行った英国で入手したそうで、ケースにはフライト時に航空会社で貼ったテープが残ったまま譲り受けたので、以来そのまま保存しています。

(枻出版刊:Vintage Guitar Vol. 14に掲載された佐藤研二さんの愛器)

 次に読むなら

ギブソン的なベース (前編) - 50年代
ギブソンが長年妥協せずにプロデュースし続けてきたEBシリーズを、前後編の2回に分けてご紹介。ボディシェイプやスペックの違いを年代別に見ていきます。

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