ダブルカッタウェイのメロディーメーカー - エピフォンの憂鬱
ワシントン条約で規制対象となるローズウッド種が拡大されると、ギターディーラーやコレクターは、こぞって手持ちのヴィンテージギターを温存しはじめます。2000年代初期にはコンディションの良いメロディーメーカーが入手できましたが、現在の高騰ぶりはどうでしょう。
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ヴィンテージ・ギブソンのファンにとって、気になり出すと気になって仕方ない小悪魔的な存在のギターがメロディーメーカーです。
ワシントン条約で規制対象となるローズウッド種が拡大されると、ギターディーラーやコレクターは、こぞって手持ちのヴィンテージギターを温存しはじめます。そして、あらゆる60年代までのギブソン・ギターが、eBayをはじめとする個人取引市場から姿を消しつつあるのです。2000年代初期には10万円も出せば十分にエクセレントなコンディションのメロディーメーカーが入手できましたが、現在の高騰ぶりはどうでしょう。一時、学生向けのチープなギターと誤解されていたのがうそのようです。
そんなメロディーメーカーですが、今回は一般的にポピュラーなボディスタイルである60年代初期~中期のダブルカッタウェイを見ていきます。
①ギブソン・チェリーレッド
カメムシチェリーのダブルカッタウェイはジョーン・ジェットの使用でもおなじみのモデルですね。シースルーチェリーのフィニッシュは、上位機種同様に丁寧なラッカー仕上げで、マホガニーも上質で軽量、さすがギブソンのクオリティです。
②ギブソン・サンバースト
このダブルカッタウェイ・サンバーストは少し珍しくて、チェリーレッドと同じボディシェイプのカメムシタイプですから、全体的にスリムな印象があります。塗装のクラックがかっこいいですね。
③エピフォン・サンバースト
エピフォンのダブルカッタウェイ・サンバーストは、鼈甲柄のピックガードや大胆なネックジョイントのスラントカットなど、ギブソンとの違いを出しています。②ギブソン・サンバーストと比べると、実はボディシェイプが大きく異なるのに気がつきます。同じシェイプと思っていた人も多いのではないでしょうか。裏から見ても、似ても似つかないシェイプなのです。
ネックジョイント部分も、共通点がないくらい違っていますね。
④ギブソン・サンバースト
一般的に知られているギブソン製メロディメーカーのサンバースト・ダブルカッタウエイは、左右に張り出たジョイント部分でネックがしっかりと固定されるため、低音をストレートにヘッドからボディまで伝えられ、ダブルカッタウェイとは思えないステーブルな低~中音域が得られます。
それぞれを1対1で比較撮影した画像です。ずっと見てると見慣れてきてキュートなシェイプですよね。
当時のジャズギターにも見られる、べっ甲柄素材のピックガードの劣化です。
ギブソンのブラックのピックガードには同様の劣化は見られません。
クオリティの高さはわかっているのに、なぜかエピフォンを避けてしまう理由がここに…
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