音の本棚「リッチなWeekend」B.C.Richと共に (前編)

70年代最高峰のハンドメイドギターメーカーであるB.C.Richのカタログは、アメリカへの夢の扉を開いてくれる大切な魔法だった記憶があります。今回の音棚はB.C.Richカタログを見つつ、めずらしいカラーリングのモッキンバードもご紹介します。

ギター関係の本棚には、分厚い写真集やムックに交じって、長年丁寧に大切に保管してきた貴重なカタログ達が眠っています。その中でも、70年代最高峰のハンドメイドギターメーカーであるB.C.Richのカタログは、ハイスペックの個体、複雑な回路、著名なギタリストが誌面を埋めつくしていて、ことのほか豪華なシリーズでした。触れたこともない「モッキンバード」や「イーグル」に憧れる西宮の高校生にとって、アメリカへの夢の扉を開いてくれる大切な魔法だった記憶があります。

センターブロックがシースルーのダークブラウンに塗装されたメイプルウイングのモッキンバードは、『The Guitar 2』でも紹介された、北島健二さん仕様ですね。

めずらしいカラーリングです。

じつは、このギターは、探しても探しても出会えなかったカラーリングで、最終的に無理を言って塗装しなおしてもらった特別な一本なのです。

皆さんも、このページには見覚えがあるでしょ。とにかくクールなモッキンバードのデザインが、輪郭をはっきりと目立たせるメイプルのウイングと、ダークなセンターブロックの対比で、さらに異彩を放ち、北島さんのスピード感溢れるステージングを彩っていました。

私のカタログコレクションの中でも、B.C.Richは、その「発行部数の少なさ」と「改訂の多さ」で、なかなかすべてを手元に集めるには至らない貴重な存在です。

一番最初に手に入れたカタログです。

エリック・クラプトンが楽屋でシーガルを弾いているシーンを見て以来、私の憧れのギターです。

SGっぽいですよね、Contourが。ブランドとしてはアコースティックギターが先に有名になったので、このカタログでも、しっかりとラインナップされています。

兄弟に見える? B.C. Rich SeagullとGibson SG

兄弟に見える? B.C. Rich SeagullとGibson SG

2015.10.2

「七色の音がでる!」という評価で市場を席捲した、スイッチだらけのB.C.Rich。持ってない人にも良く分かるように、つまみの解説が丁寧です。実際、弾いてみないと「どう音が変わったか」わからんのですが、それはそれ、想像を膨らませて、手に入れるいつかを夢見るってことで。

しかも、この通りのスイッチ配列になっていないモデルが結構ありました。

続いてのカラーカタログは、のっけから「とんでもない、飛んでもいない(笑)」イーグルのダブルネックが表紙です。実際に作っちゃうところが凄い。

ハンドメイドギターのプライドを謳ったコピーが胸にささります。

Find out what “HAND MADE in the U.S.A.” really means.

村上春樹さんの『風の歌を聴け』みたいな、かっこいい言い回しですよね。

このカラーパンフでは、より一段と複雑なBichのコントロール説明です。これって、買った人以外にも必要なんでしょうか。「ふむふむ、こうなっていると、こう操作したときにこれとこれが、こういうサウンドになって…」ってことですが(笑)

さすがにハンドメイドなので、ボディシェイプが全然違います。

せっかくなので、美しいB.C.Richの造形美とカタログを、まとめてご覧ください。

角がキュートなヘッドストック。「R」ロゴの美しさ。曲線美の極み。
ネック材がボディを突き抜けて、それを異なる種類のウッドでサンドイッチするなんて、想像を超えたかっこよさです。
当時、ディマジオって高嶺の花でした。音も良かった。よく見ると、バダスブリッジのサドルがブラスです。
これはダイヤのインレイ。よく見ると曲線で凝っています。クラウドインレイもいいけれど、個人的にはシンプルな「♦」が良い。

B.C.Richコレクターの方々は、本当に研究熱心でしっかり情報交換もされているので、いつも感心します。いつか「シーガルだけ」の展示会とか開催されないかな…って、わくわくしています。

リック・デリンジャーの雄姿が見られるカラーカタログ、お楽しみください。

梅田ナカイ楽器古書の街店のスタンプが懐かしい。

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兄弟に見える? B.C. Rich SeagullとGibson SG
1970年代に輸入ブランドを初体験したギターキッズにとって、SG StandardとB.C. Richは憧れの存在です。今回はSeagullにクローズアップしました。随所にみられるSGとの共通点をお楽しみください。

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