めずらしいクローム・ワイヤーのABR-1刻印ブリッジ
ヴィンテージのギブソン・ギターはニッケルとクロームのパーツが混在しており、ABR-1にも複数の種類があります。今回はABR-1刻印のクロームタイプと、不思議なスペックのゴールドABR-1をご紹介します。
目次
判別が難しいヴィンテージ・ギブソンのスペック
ヴィンテージ・ギブソンの年代考証の難しさは、本体がシリアルナンバーだけで判別しにくい上に、工場内でパーツが先入れ先出し(保管棚のパーツを古いものから先に使っていく)されていない点にあります。60年代後半のギターにニッケルパーツが搭載されていたり、ニッケルとクロームのパーツが混在して搭載されたりとまちまちです。
特にSGスタンダードは、ブリッジがニッケルでヴァイブローラがクロームなんてザラです。逆はあまり見かけないので、ヴァイブローラの方が先に在庫が切れたのかもしれません。
ABR-1刻印のブリッジの違い
裏側が「GIBSON ABR-1」刻印(正確には盛り上がった文字)のブリッジは3種類あります。
- ニッケル・ノンワイヤー
- ニッケル・ワイヤー
- クローム・ワイヤー
クローム・ワイヤーのABR-1は結構めずらしそうです。65年前後は一気にPatナンバーに移行しますから、期間としては短いですね。しかもニッケルのPatナンバーがあることからみると、なぜクロームのABR-1が存在するのか不思議です。
基本的に同じ金型から仕上がった鋳造品に、ニッケルメッキするかクロームメッキするか、だけの違いなので、本体はまったく同じです。
それぞれのサドルもオリジナルです。クロームでもブラスサドルとプラサドルが存在しました。プラサドルへの移行時期が60年代後半と考えれば、ABR-1刻印でプラサドルは、ちょっと混ざりすぎかもしれません。
ポスト穴裏側の加工跡も、ニッケルとクロームで共通していました。
意外と気にしていないスペックなので、写真で見ても驚きが少なくて地味な解説になりました。
すだれサドルが搭載された不思議な仕様のABR-1
「えー、つまらんなあ」と思われたマニアックなファンの方へ、今回お蔵出しのデッドストックPatナンバー・ゴールドABR-1(呼称長い…)のすだれサドルをご紹介しますね。これ、ファウンダリーマーク(DJマーク)が無い一番新しいバージョンなのに、すだれサドルがオリジナルで搭載されてボックスに入っていました。時代考証的には、DJマークが無いので70年代なのですが、なぜ古いブラスサドルが…
謎のスラントリング。アーチトップ用のウッドベースなのに、ヴィブラート用のエレベーションリングです。
普通にゴールドのPatナンバーなら、DJマーク付きでフラットリングですね。
ちょっとマニアックっぽくなったかな?(笑)
次に読むなら
掲載されている文章および画像の無断転載・引用(ソーシャルボタンは除く)は固くお断わりいたします。
関連する記事
Vintage Maniacs Shopのおすすめアイテム
Vintage Maniacs Ebony Block Tune-up Project
抜群の戦闘力を持ったスペシャルに、美しい木目を奏でる縞黒檀からなるVintage Maniacsオリジナルユニットを搭載して、ハードなロックサウンドに甘くメランコリーなビブラートのエフェクトを加味しました。
ショップで見る