やみくろES-335 - 調和のとれたデザインとフェンダーとの共通部品

4回シリーズで1959年のGibson ES-335を観察した「やみくろES-335」の最終回は、ABR-1とピックアップ周りに注目。ギブソンとフェンダーの共通部品が使われた、ヴィンテージのギターケースもご紹介します。

スダレ模様が特徴のABR-1サドル

ノンワイヤーのABR-1ブリッジは、サドルやスクリューを紛失して交換されている場合が多いのですが、さすがにワイヤードはすべてのサドルがしっかりと残っていました。

サドルのスダレ模様が特徴です。

6個ともオリジナルですが、天面の加工に個体差がありますね。このパーツは60年代後期でもあまり変化していません。結構沢山つくったパーツだったのでしょう。

ブリッジの裏側ですが、このファウンダリーマークだけをクローズアップして見る機会はあまりないので、参照してくださいね。

全体として、この部分は調和がとれていると思いませんか?

ピックアップカバーのアナログ感

ピックアップカバーも、時代とともに随分と形状が変化してきましたが、やはりオリジナルの手の込んだ加工はヴィンテージ特有のアナログ感が充満しています。

ピックアップリングの数字に注目

長年の懸案事項(笑)であるピックアップリングですが、せっかくの機会ですから数字部分を中心に観察してみます。

フロントのMR491
リアのMR490
リアのトールの脚部分
フロントのM-69
フロントとリアのナンバー「7」と「8」

ギブソン・パーツのデザイン

ES-335の全体を眺めると、レスポールと共通のパーツを流用しつつも、まったく印象の異なったギターとしてデザインが完成しています。これはギブソン・パーツのデザインにみられる一貫したテイストです。

ギブソンとフェンダーの共通パーツ

最後に、ギブソンとフェンダーの共通部品、ハードケースのラッチを見てみましょう。フェンダーは55年のツイードケース。ギブソンは59年のブラウンケースです。

同じパーツだと気がつくと、びっくりですね。ハンドルは手作り・手縫いで、お金がかかってます。いまは機械では作れないですね。

ヴィンテージパーツの奥深い世界

4回シリーズで観察した1959年のES-335(シリアルは60年初期)、いかがでしたでしょうか。いままで何の気なしに見ていたヴィンテージパーツに、製造工程の工夫やデザイナーのポリシーが見え隠れして、奥深さにため息がでます。

おまけのカットです。

 次に読むなら

エボニーブロック搭載のSGとファイヤーバード
60年代のギブソンのデザインには統一された美しさがあります。今回は白蝶貝のインレイが入った特別でゴージャスなエボニーブロックを、ファイヤーバードなどいろいろなギターと組み合わせてみました。

掲載されている文章および画像の無断転載・引用(ソーシャルボタンは除く)は固くお断わりいたします。

 Vintage Maniacs Shopのおすすめアイテム

白蝶貝が美しいエボニーブロック

ギブソンがレスポールをフルモデルチェンジした1960年代初期に、サイドウェイ・ヴァイブローラと並行してごく限られた台数だけ生産されたエボニーブロックのレスポールSG。長年の間コレクターだけの密かな憧れだった白蝶貝インレイのウッドブロックを復刻しました。

ショップで見る
Vintage Maniacs 公式Webショップ