やみクロ - そういえばジャガー(追記)
四季折々のシチュエーションで豪華なロケ撮影をした山野楽器のフェンダー・カタログ。そこに掲載された不思議なプライスリストや、ちょっと気になるギターの説明文などを、FVさんと一緒に見てきます。
目次
山野楽器のカタログ
VM(Vintage Maniacs)そういえば、ジャガーで不思議に思っていたことがあるんです。
FV(Fukazawa Vintage Club)当時、私が山野楽器のカタログの女の子のファンだったってこと?
VMそれは、みんな知ってることなんで…。例えば、この浴衣のシチュエーションって、すごくハワイアンっていうか、スチールギターの背景としては、和洋折衷でセンス抜群ですよね。
FV私も大好きなカットだ。高校時代の想い出に残るカタログページ。
VMそのわりに、このカタログが書庫から出てこなくて、先月メルカリで買ってましたよね。
FVそうそう。古い話だけど、阪神大震災で実家が被災したから、カタログとか随分と損失しちゃってね。ただ、これは手元にあると思ったんだけどなあ。
VMで、僕が不思議に思ったことですけど。
VMまずは、ジャガーと関係ありませんが、このギターのカラーがすごくかっこいいんですよ。関西の楽器店では見たことないんですよねえ。
FVそもそも、ミュージックマスターとかブロンコって、なかなか店頭に無かっただろ?
VMええまあ、一応カタログのトップページに、ムスタング、ジャガー、ジャズマスターと並んで堂々と登場しているんですけどねえ。
FVノブを中心に見てきたサンバースト・ジャガーだけど、やっぱりカタログに載っているのも、カスタムカラーじゃなくてサンバーストだ。
不思議なプライスリスト
VMそれはいいとして、プライスリストを見てくださいよ。
FVストラトに「左用」の価格が載ってないな。ムスタングには設定されているのに。
VMそこじゃないですよ。ジャガーの価格が載ってないんですよ。
FVうわ、ほんとだ。スターキャスターの価格設定にも驚くが、ジャガーの値段がわからないってのはミスだな。意図的じゃないだろ?
VMそう思いたいです。説明文を見てくださいよ。
FVどれどれ。
ジャガーは…
フェンダー独自の演奏上の多様性をもつソリッドボディの最高級モデル。スケール24インチの短い補強鉄芯入りネックには22のフレットがあり、演奏上の容易さと可能性を持ち、また2個のピックアップはプレーヤーの好みにより様々な音のバリエーションを可能とします。フェンダーミュート、フローティングトレモロ、フローティングブリッジ、プリセット回路、トレムロックは容易かつ確実に作動し、プレイヤーの要望に十分答えるものです。
●ネックはメイプル、ローズウッド指板、カラーはサンバーストのみ。
VMまず、「フェンダー・ソリッドボディの最高級」ってあるじゃないですか。それって、ジャズマスターよりも高額だったってことですよね? でもプライスリストには価格が掲載されていない。
FVジャズマスターの説明の、「デザインの特徴は、ほぼジャガーと同じであるが…」って、随分ひどいな。「ジャズマスターのよさがあり、あのすばらしいフェンダーサウンドを生み出します」というのも、ちょっとわからん。「どのフェンダーサウンド」か、うまく言葉で表現するのがカタログコピーライターの腕の見せ所だと思うんだが。
VMまあ、そうですよね。ギブソンのカタログに「ほら、あのレスポールサウンドですよ」って書いてあったら、びびりますよ。「粘りある」とか「ミッドレンジ」のとか、「ヌケのよいマディーでブルージーなハンバッカーサウンド」とかのコピーを考えている人たちからしたら、「えー、それってありか?」って感じてると思いますよ。
贅沢なロケ写真
FV前回の追記にするつもりだった内容だけど、私の大好きなモデルさん入りカタログを紹介しているので、もうちょっと見ていこうか。
VM浴衣の写真、これですよね。和むなあ~。FVさんって、好きなタイプが多種多様ですけど、紙ふうせんの平山泰代さんみたいなコケティッシュな人、好みでしょ?
FV彼女は、赤い鳥のライブで大村さんに楽屋に連れて行ってもらったときに、ご挨拶して以来の大ファンだ。うちのいとこの先輩(ムコジョです)だし。フェンダーカタログのモデルさんとはもちろん無関係だけど、このカタログの1976年前後に「冬がくる前に」が大ヒットしたので、なんとなく想い出が連動して印象深い。
VMよく見ると、このカタログは随分豪華で贅沢なロケをしてますよね。今みたいな、ちょちょいのチョイってフォトショップ加工とかない時代ですから。
FVおお、確かに。日本全国って感じだし、四季折々だ。夏の海岸から冬のスキー場まで。ところで、Vintage Maniacsと関係ない話だけど、続けてていいの?
VMいいっすよ、どうせ止まらないんだから(笑)
FV改めてよく見ると、ほら、神社から牧場、クルーザーからスキー。
FV一年かけてロケして完成したカタログってわけだ。
VMこのカット、海に落ちそうで危ないっすね。ギターも彼女も。
VMこれなんか、スキー場のど真ん中に陣取って、ベースならべて、ずっと彼女がリフトで通りかかるのを待ってたんですよね? 携帯電話とかないから、連絡は無線でしょ?
FVロケっていうのは、本来はそれぐらい大変なものなんだよ。一発勝負。
VMなんか、もうちょっとヴィンテージっぽいネタありませんか?
FVカタログの最後に、アクセサリーが載ってるだろ?
VM古い弦持ってますねえ。捨てないんですか、交換したあとも?
FVそれはそうとして、当時フェンダーのエレキギター弦って、1,300円もしたんだよ。
FV高校生にとっては高嶺の花さ。ストラトキャスターだって、近所の高校生が持ってるって聞いたら、自転車漕いで遊びに行って見せてもらったりしたから。そんな時代だよ。ノスタルジーだなあ。
USAフェンダーカタログ
VM参考までに、おなじ1976年のUSAフェンダーカタログを見てみると…
VMジャズマスターの次に載っているのは、テレキャスター・カスタムなんですよ。知ってました?
FV知ってるよ。ほら。
VMってことは、山野楽器が四季折々のシチュエーションカタログを年間ロケしている間に、ジャガーがディスコンになっちゃったってことなんでしょうかね*。
FVスタッフの労力を考えると、つらいな…。
調整可能鉄芯入りネック
FV最後に、トラスロッドの表記なんだけど、どうにかならなかったのかね。
FV 一貫してないだろ? 「短い補強鉄芯入り」や「調整可能鉄芯入り」って。
VMロケに力入れ過ぎたって感じですね。良いと思いますよ。
FVなにが?(笑)
*勝手な発言をしていますが、一応フェンダーの資料ではディスコンされていなかったみたいです。
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