俺スキ - 70年代回顧 Japan Limited Flying V 後編
ジャパンリミテッド・フライングV特集の後編では、見た目のヴィンテージ感に大きく影響するロッドカバーに注目。その他、ケースハンドルを取り付けるアイデア金具のオフセットブラケットや、Gibsonの品質検査証もご紹介します。
目次
形状の違うフライングV用トラスロッドカバー
VM 前編からの続きで、Japan LimitedのFlying Vなんですが…。ボリュートまでこだわったのに、どうしてペグがGroverで、ストラップボタンがデベソなんでしょう。
VMロッドカバーもヘンテコだし。
FV作為的にデチューンしてるのかなあ。日本市場からのリクエストは、「限定生産だけど、Historic Collectionを脅かさない程度に、それなりスペックで、ニッチに…」って。
VMそう見えても仕方ないですよねえ。実際企画した人は意図的じゃないと思いたいです。
FVロッドカバーを3点止めにするだけで、一気にヴィンテージ感が出るよ。
FVレギュラーラインの3点止めロッドカバーだ。
VMうっ、でかい。
FVあ、やっぱりわかる? じゃあ、これは?
VMロッドカバーの特集でも比較しましたけど、僕は左端のスリムがいいなあ。
VM重ねてみると、首のあたりのシェイプですね、大きく異なるのは。
ハードケース・ハンドル取り付けの工夫
VMあ~、もうこんな時間だ。細部まで見てると、時間たつの早いですね。
FVじゃあ最後に、前編の冒頭で触れたハードケースのハンドルだけど。いままでのブラケットと違うの、わかる?
VMブラケットの左右の長さが違っていて、さらに角度がついてますね。
FVこれで、(バランス的に)ケースが格段に持ちやすくなったうえに、ハンドルの耐久性も向上しているから、ちょっとしたアイデアだね。
FVアメリカ人っぽい工夫だと思う。
VMしかし、このJapan Limitedは、チェリーならメダリオン、クラシックホワイトならブロックインレイ、ブラックならカーク・ハメット・エイジドと、チューンナップのベースとしては、すごいポテンシャルがありますよ。僕も見つけたら買うことにしよっと。
ギブソンの品質検査証
ギブソンの工場出荷のときに、それぞれの個体をきちんとチェックして合格した証が、品質検査証です。これは新品で購入したときに、「ギブソンの工場でギターを作っている人と、直接つながっているような感じ」がして、すごくドキドキする嬉しいカードですね。内容は、紋切り型の文言が多国語で印刷されていますが、その上に手書きされた文字がアメリカンで、「Made in USAを買ったぜ」って、憧れっぽいものを満たしてくれる、ちょっとしたマジックなのです。
このシートには、「PRE-PACK CHECK LIST」と「FINAL PACK CHECK LIST」の記載があります。
PRE-PACK CHECKには、弦高やバインディング、パーツなどが正しくセットされているか、細かな項目がありますが、真ん中の検査証みたいに、縦にガ~っと線が引いてあるだけだと、左右のように一項目ずつ細かくチェックしているのか不安ですね。FINAL PACK CECKは、ハードケースや同梱物のチェックです。シートは左から、「DSXREBCH1」=「レギュラーのエクスプローラー・ブラック・クロームパーツ」、「DSXREBCH1」同上、「DSFRVSCH1」=「レギュラーのファイヤーバード・サンバースト・クロームパーツ」です。
今回の記事で触れているモデル名ですが、これは工場内で使われている「工場分類コード」です。工場から出荷された後の商流段階では営業分類が使われ、バーコード情報として、もう少しわかりやすい「機種名やシリアルナンバー」で管理されます。
たとえば山野楽器が輸入元だった時代のシートを参照すると、品質検査証(右)には、「DSXREBCH1」という工場分類と「02634675」というシリアルが記載されているだけですが、山野楽器が営業分類に読み替えると、保証書(左)のように、「EXPLORER76 EB」と、購入者にもわかりやすい表記になります。
では、前編で話題にのぼったFVのJapan Limitedを見てみましょう。5月28日 DSVJHCCH3 150069172 カッコいいヘリテージチェリーですね。
すべてJapan Limitedのカードです。
上段左から
5月29日 | DSVJEBCH3 | 150069478 | エボニーブラック |
6月1日 | DSVJHCCH3 | 150069690 | ヘリテージチェリー |
6月2日 | DSVJVSCH3 | 150069469 | ヴィンテージサンバースト |
6月3日 | DSVJVSCH3 | 150070373 | ヴィンテージサンバースト |
こうして見ていくと、Japan LimitedのフライングVって、毎日何本ずつ作ってたのでしょう。オーバーストックになったKHモデル用のボディネックを、一人がちまちま組み上げていたとか…。ちなみに、2015年の5月29日は金曜日なので、30日と31日は工場がお休みでしたね。工場の分類コードも、こうしてアルファベットの意味がわかると簡単に読み解けます。
ワランティ紹介は次が最後です。左端は「DSVRCHCH1」=「デザイナーシリーズFVレギュラー・チェリーレッド・クロームパーツ・品質検査1回目でパス」です。左から2番目は「BATYVSNH1」、となりは「Les Paul Gothic」と表記されている2000年当時の古い検査証、右上が「BAIIGTCH1」、そして右下が「LPCST6HSCH1」です。ところで「BA」って、やっぱり「BASS」の略ですよね…(笑)
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