変態SGは真面目なギター - ゼロフレットとT.W.Doyleピックアップ

このSGスタンダードは、オーストラリアのゼマイティス・コレクター“マーク・ミラー”から生前にプレゼントされたものだけど形見になっちゃったね。マークによると60年代後期のギブソン製SGを、トム・ドイルがレス・ポール氏のためにカスタマイズしたものだ。

VM(Vintage Maniacs)相変わらずですが変わったギターを持ってきますね。

FV(Fukazawa Vintage Club)真面目だよ。

T. W. Doyleピックアップを搭載した黒のSGスタンダード

VM黒のSGはピックアップに目がいきました。T. W. Doyleピックアップだ。

FVへえ、さすが鋭いね。トム・ドイルさんに会ったことある?

VM私は90年代にヴィンテージ・ギターショーで会いましたね。東海岸の田舎のイベントでした。

FVレス・ポール氏のギタテクとして、ずいぶん長い間活躍してきた人だね。

VM以前は積極的にギターも作っていました。彼のピックアップはスタジオミュージシャン的アプローチが良いですよね。ネットで調べたらピックアップのユニットだけで1,000ドル近くで販売されていました。この画像のショップの説明文ではトム・ドイルが製作したギターは10,000ドル以上するみたいです。

Boston Guitarのサイトに掲載されたT. W. Doyleピックアップ
Boston Guitarのサイトより

FV黒いSGスタンダードは、オーストラリアのゼマイティス・コレクター“マーク・ミラー”から生前にプレゼントされたものだけど形見になっちゃったね。マークによると60年代後期のギブソン製SGを、トム・ドイルがレス・ポール氏のためにカスタマイズしたものだ。

VMブラックライトで見てみると、どこも折れたり壊れたりしていない健康な個体をリフィニッシュして指板を張り替えています。贅沢ですよ。

FVそりゃあ人にプレゼントするギターだから、壊れた個体をリペアってことはないだろ。

VM指板のインレイはレッドアバロン。最近は手に入らない素材ですね。文様も既成のパターンではないあたり贅を尽くしている感があります。

FV私はこのギターを贈られたときからダースベイダーって呼んでる(笑)マークも気に入ってたな、このニックネーム。機会をみてクローズアップと回路の紹介もするね

トフィーブラウンのゼロフレットSG

VMこのトフィーブラウンの貴重なSGは?

FVどこが変でしょう?

VMどこがって、全部変ですよ。

FV(笑)

VMこれ、オリジナルのトフィーブラウンですよね。

FVしかもネック折れもジョイント破損もない健康体。

VMこっちもエボニー指板ですか。アメリカ人、好きですねえ、エボニー。

FVローズウッドよりもしっとりとした感触で、かつ木材として高級感があるんだろう。

VMゼロフレットって久しぶりに見ました。ナットを上にあげているので、その分トラスロッドカバーをカットして3点止めにしてありますね。なんだか手間はかかっているけど、ナットの形状ってこれで許されるんですか?

FVしっかりと機能しているし音もいいから、そのへんはセンスだね。この改造の素晴らしいところは元のギターに戻せる改造のやり方ってところだ。よく見てごらん、ピックガードが23~24Fの下に潜り込んでるだろ?向かって右側のネジがフレットの下にある。

VMヘッドストックの裏にはフレットボードがなんちゃら(FINGERBOARD BY HAYES)って書いてありますが資料がありませんでした。ネックジョイントにはオーナー?がイニシャルを入れたり、やりたい放題のわりにちゃんと24Fのギターとして成立していますね。

FV今度この2本の音出し動画を作りたいね。ところでこのギター、どうやってピックガードを外すんだ?

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