やみクロ - シングルカッタウェイのメロディーメーカー (前編)
4機種目の「やみクロ(やみくもクローズアップ)」はメロディーメーカー特集。前編の今回はアリゲーターケースを中心に、ヘッドストックまわりに注目します。ケースに入っていたノスタルジックなコードチャートもご紹介。
目次
ノスタルジックな雰囲気のコードチャート
VM(Vintage Maniacs)ひさしぶりにウキウキしていると思ったら、メロディメーカーですか、今日は。
FV(Fukazawa Vintage Club)レスポール・ジュニアとメロディーメーカー(シングルカッタウェイ)の比較記事を書いてから随分経つんで、今回は普段あまり注目されることがない、アリゲーターケースも併せて「やみクロ」するよ。
VMこのギターは、オリジナルオーナーから譲ってもらったんですよね、確か。
FVそうだよ。ケースに手書きの譜面とか入っていて、ノスタルジックな雰囲気が漂っているだろ。
VMなんですか、これ?
FVそう言うと思ったよ。君の世代だと、コードチャートなんて買ったことないんじゃないか?
VMコードブックなら父が持ってましたけど、チャートっていうのは、なんかなじみが無いです。
FVでも、すごいだろ? 著者っていうか「By Johnny Weber」って書いてあるぐらいだから、著作物なんだよ、このシートが。
VMしかも、レスポールみたいなスタンプシリアルが入ってます。
FVあ、ほんとだ。君は、人が見てないところを見つけるのがうまいね。
VMっていうか気になりますよ。まあ、コピー防止なんでしょうけど。ところで、このスタンプってギブソンのシリアルスタンプと似てませんか?
FVまあ、似てるっちゃあ似てるね(笑) ギブソンはもう少し縦長だけど。当時流行ったフォントなんだろうね、ゴム印として。
VMで、そんなこんなのコードチャートですけど、Easy Fingeringって書いてあるだけあって、押さえづらい6弦や5弦は省略して、適当にコードをかき鳴らしましょうってチャートですよ。0の弦は開放で弾くんですね。
VMカポの説明書もレアだ。
FVカポに取説いるかなあ…。
FVギターの話に戻ろうよ。
VMちょっと待ってください。左の紙は手書きですよ、コード進行の譜面だ。
VMこの曲名、知りたいですね。
VMで、なんでしたっけ?
FVメロディーメーカーだよ。ギターの話だろ!?
VMえっと、個人的には、アリゲーターケースから見ていきたい気がします。
壊れやすいアリゲーターケース
FVいいよ。このケースは取っ手もバッジも残っているから、資料としては良いね。
VMケースのバッジ、取れちゃったり、中蓋ごと失くす人が多いですからねえ。
FVしかし、このチャチいプラスチックのハンドルが壊れてないのはめずらしい。
VMFVさんはアリゲーターケースとかチップボードケースを持ち歩くとき、かならずアコギ用の大きめのギグバッグにケースごと入れてますよね。変なところが丁寧なんだから。
FVまあ、そこは気を使ってるよ。それでもフチの部分とかは傷んでくるね。
VMおお、この「クギ」は萌えますね。
FV渋い!(笑) そして保存状態の良い「ブラスバッジ」のクローズアップ。
良質なハカランダの指板
FV寄り道はこのへんにして、本体のクローズアップを見ていこう。
VMまず目を惹くのはフィンガーボードですね。
FV昨今は、なかなかお目にかかれないね、これだけのハカランダは。
メロディーメーカーのパーツにクローズアップ
VMヘッド裏のシリアルはスタンプですから50年代ですよね?
FVそうだね。このヘンテコなペグも年代を物語っている。
FVこの時期は、ストレートポストのペグ(左)も混じっている。個人的には、こっちのほうが好きだな。
VMこうしてみると、本当にボディが薄いですね。
VMあ、ストラップピンもオリジナルだ。
FVここはポイントが高い。樹脂製だから、割れてアルミに交換している個体も多いけど、拘りたいね。
FVロッドカバーのネジは、どっかで入れ違ったかな? 60年代のがついてるから、撮影のあと予備のスクリューに取り付け直しておこう。
VMトラスロッドのナットはブラス製です。あまりレンチで回してない個体は塗料が残っていますね。
FVピントが甘くて申し訳ない。前ピンだな。
VMどうします、まだ他のパーツも見ますか?
FVおいおい、めんどくさそうに言うなよ。まあ、今回は「コードチャート」と「アリゲーターケース」をじっくり見たから、パーツは別の機会にしようか。
VMはーい。
FVなんか、嬉しそうでシャクだなあ…。
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