ギターケースの革製の取っ手 - 50年代ヴィンテージ・ハンドル

ギターケースのハンドルは現行のハードケースでも数年間使用していると、汚れたりステッチが切れたり金具が折れたり、ぼろぼろになって崩壊してきます。そのため50年以上前のギターケースとなると、よほど保存状態が良くないと取っ手部分がオリジナルであることは期待できません。

ヒストリックコレクションが1999年に40thアニバーサリーとしてフルモデルチェンジしたときは、付属するブラウン・スリムケースの復刻も嬉しかったですね。今回はヴィンテージ・レスポール・スタンダードとは切り離せない50年代のブラウン・スリムケースのハンドル(取っ手)にスポットをあててみましょう。

ギターケースのハンドルは現行のハードケースでも数年間使用していると、汚れたりステッチが切れたり金具が折れたり、ぼろぼろになって崩壊してきます。そのため50年以上前のギターケースとなると、よほど保存状態が良くないと取っ手部分がオリジナルであることは期待できません。

このハンドルはメタルハンガー部分が辛うじて残っていて、なんとか持ちこたえてケースについていましたが、実用性を考えると交換すべきコンディションでした。

レザー部分もほぼ擦り切れていて、内側のボール紙が覗いています。ここまで使い込まれていると、レザークラフトの職人にお願いするしかリペアの道はありません。

保存状態の良いハンドルを見てみましょう。これは50年代中期と50年代後期のスペックの比較です。写真奥が50年代中期で、手前が59年のブラウンケースについているハンドルです。

50年代中期のハンドルはアクスルの当たるハンガー部分の下部でレザーが縫い合わせられています。他の仕様は概ね同じです。

背中側から見ると、レザーと同質のステッチで仕上げているのがわかりますね。

高級な薄手のレザーを強固に縫製し光沢のあるブラウンカラーに染め上げており、レザーの縁を塗装する手のこみようで、コールハーンなどの高級シューズを彷彿とさせます。当時ギター本体が265ドルに対してブラウンケースが42.5ドルしたのもうなずけます。

以前は壊れた取っ手に紐やビニールチューブをぐるぐる巻きにしたヴィンテージ・ハードケースが沢山ありましたが、現在は金具やステイのユニットが別売されていたり、ブラウン・レザーハンドルのレプリカが北米でハンドメイド生産されているので、手軽に個人でも修理ができます。次の写真は上段がヴィンテージ、下段がVintage Maniacsで販売しているレプリカです。

ヒスコレのブラウンケースもハンドル部分には配慮していて、色を除けば大変うまく復刻していたかと思います。

2012年モデルからはブラウンケースも復刻しましたから、こうしたハードケースなど周辺アイテムの詳細をチェックしておくのもマニアとしては楽しいですね。

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