カラマズーの冶具 Part 1 - 1968年のレスポール

全4回でお届けする「カラマズーの治具」シリーズの第1回は、68年のレスポール・ゴールドトップの治具をご紹介。普段は見る機会がないレアなアイテムをじっくりとご覧ください。

カラマズー工場のレフトオーバーパーツ

VMカラマズー工場のレフトオーバーパーツは、これまでもちょくちょくレビューしてきましたが、そのほかにはどんなモノを入手したんですか?

FV 以前の記事で少し紹介したけど、退職記念の時計や、職場同僚の寄せ書きとか、いろんな記念品があったよ。

FVそれと、作りかけのボディやネックもたくさんあった。基本的にはボディやネックはカットアウトといって、再利用できないように、ネックは真ん中で切ったり、ボディも斜めにカットして真っ二つみたいな状態が多かったな。

VMそれでも、部分的にリペアパーツとしては十分機能するものがあったんですね。でも、このフラットトップギターのバックは、ただ単に割れただけでしょうね。

FVそうだね、見た感じでは。80年代後半には、カラマズー工場から放出された無事な木部を組み直したギターをショーにもってきているディーラーもいたしね。Atlanta Vintage Guitars(Dixie Guitars)のTut Campbellもその一人だよ。

VMFVさん、よくアトランタ郊外で、彼とブラック・クロウズのメンバーとケイジャンチキンを食べてましたよね(笑)

FVいや、正確にはリッチ(ロビンソン)もデビュー前だった。あと、Dave(Onorato)ね。

VMさっきの割れたバック材、ハカランダですよね。

FVよく見てよ。この当時のギブソンは、マーチンと違って貼り合わせのハカランダだから。

VMあちゃー、ほんとだ。

FVバンブルビーは今後の記事で紹介するからね。

VMいちど、まとめてデッドストックの数値を測ってくださいよ。

FVそうだね、やりたいね。

VMでは治具シリーズの初回は、一番面白そうなアイテムから…。

レスポールの治具

FVしっかり目をつけてるねえ。

VMえへへ、68のゴールドトップが大好きなんで。

FVなんで68ってわかったの?

VM書いてありますよ、しっかりと。下手な字で(笑)

FV「下手」は余計だよ。

VM「LES PAUL 21-005」「1st ORDER」!

FVこの冶具でヒスコレのトップをなぞってチューンナップすると、68GTになるわけだ。

VM裏側も、ちゃんとキャビティの位置が彫られていますね。

FVこの「COUNTERBORE」が謎なんだよ。いまだに解明できない、っていうか直訳すれば「ザグリ」なんだけど…見ればわかることを、わざわざ書くかな?

VM見ている人に、表側のアーチ加工が写真でわかるといいんですが。

FVこの木材の材質は何だろうね。君、その辺詳しいだろ? 少なくともメイプルじゃないし。

VM読者の方でわかる方、ぜひコメントください!

FVほんと、このふくらみを見ていると、50年代とも70年代とも違う、もっちゃりした68って雰囲気がよく出ている。

FVそれにしても、手描きのアウトライン、カッタウェイの部分が随分適当でヘンテコだなあ(笑)

VMやっぱり紐解くには、昔の工場内の写真とかをもっと研究しないとダメですね。

FVそうなんだよ。 工場内が紹介されたパンフレットとかは相当参考になるから、手元にある資料とかをちゃんと整理しないとね。

VM期待しながらも、楽しみにしています!

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