サイケデリックなギブソン・ギター - Zoot Suit
ギブソン的に過去を振り返ってヒッピー的アプローチをするとギターもこうなっちゃうというZoot Suitモデルの紹介です。サイケデリックという言葉を聞いて心躍る50代のみなさまには、このギターは意外にツボかもしれません。
サイケデリックなギターって、何を連想しますか?エリック・クラプトンのSG、ジミヘンのフライングV、ジョージ・ハリスンのストラトキャスター?私の場合サイケペイントといえば、クラプトンからトッド・ラングレンにわたり80年代にはユートピアのライブでも活躍した、あのSGなのです。日本でもこのペイントを模したSGモデルがたくさん登場しましたね。
さて、この記事冒頭の画像を見て「なんだこりゃ」と驚いた人は、まだまだギブソンの脱線加減に慣れていない人です。サイケデリックなんですよ、ギブソンも。昔からいろんなことをやってますから、今回のギターぐらいで驚いてはいけません。カタログにもしっかりとサイケアート模様のレスポールや国旗ペイントが登場しています。
サイケデリックという言葉は50年代に精神科医のハンフリー・オズモンド博士によって提唱されました。LSDなどの幻覚剤で覚醒した心理的なイマジネーションは、絢爛豪華な色彩で自由に描いたような視覚効果として表現されます。主にカルチャーとして流行するのは60年代中期におけるアメリカ西海岸のヒッピーブームで、幻覚によって引き起こされた精神的高揚を幾何学的なパターンアートやロック、フォークの音楽で表現した、自由を謳歌する色彩感覚でした。
で、ギブソン的に過去を振り返ってヒッピー的アプローチをするとギターもこうなっちゃうということです。マーケティング的には失敗例でも企業家精神としてはチャレンジを評価できる、Zoot Suitモデルの紹介です。サイケデリックという言葉を聞いて心躍る50代のみなさまには、このギターは意外にツボかもしれません。
パッと見、ジョージ・ハリスンのストラトと似てますね。細かく見ると全然違いますがグルグルの巻き方とかなんとなくそれっぽいです。
普通ギブソンがこういった奇抜なモデルを限定で発売するときは、それなりに驚くようなハードケースがセットになっている(参考:ビリー・ジョー・モデルの豹柄ギターケース)のですが、今回は残念ながらギグバッグでした。
フロントのP-90ピックアップがインパクトありますね。レスポールBFGゲイリー・ムーア・モデルもフロントがP-90だし、ギブソンはフロントにP-90、リアにハムバッカーという組み合わせが好きなのかも。
Zoot SuitはSGシェイプとレスポール・シェイプがあります。SGシェイプには5種類の色パターンがありますがレスポールは1種類だけです。
ギターの裏側はSGとレスポールで柄の出方が違います。
SGのコントロールキャビティのバックプレートが相当ヘンテコだと思いませんか?私は汎用性のないパーツがあまり好きではありません。割れたり、欠けたり、失くしたときに、1枚だけを特注で作る必要があるのでツアーなどには不向きです。
ネックは何十枚もの着色した木片を貼り合わせたマルチプライで、アレンビックもビックリ。木に着色しているのですごく重いです。ヘッドストックの奇天烈なデザインが、このモデルを一層特異なルックスにしています。
ボディトップのアーチを見る限りではSGモデルの方が複雑なカーブを描いているようです。
レスポール・モデルを手に取ってみて何かに似ていると思ったら、ボディバックのコンターがレスポール・ベースを思い出させます。
ね、そっくり。
SGマニアの私としては、なんとしてもSG Zoot Suitの5種類をならべて撮影したいものです。このギターなら、まんまグラフィックにしてヒステリックグラマーのTシャツになりそうです。
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