Les Paul 55/78って何? (後編)

Les Paul 55/78(77)特集の後編。まずは前編で触れた特殊サイズのブッシュに注目。他にも楕円形のバックプレートやP-90のようなSSC-1ピックアップなど、パーツを細かくご紹介します。

特殊なサイズのブッシュ

この「見慣れないパーツ」が、前編でお話した「弦を張っていなかった理由」となるブッシュです。ペグは、80年代初期のフライングVにも搭載されている、フラワー柄の刻印が施された美しい「Schaller製」です。とにかくブッシュが特殊なサイズなので、失くすと代替がありません。

このギターを入手したときには、ギターとハードケースのコンディションは抜群に良いのに、なぜかペグだけがクルーソンタイプに交換されていたのです。そして、ケースのポケットには、Schaller/Gibsonペグがきちんと保管されていましたが、ブッシュが1個足りない。

というわけで、2年ほど探していました。

結局単体(1個)だけではeBayにも出ないのでセットで入手することにしましたが、見つかっただけでもラッキーですね。

見た感じが随分と「オオぶり」で、安易に小さなクルーソン・ブッシュにリプレイスできません。ヘッド側のブッシュ穴も限りなく大きい(笑)ので、クルーソンタイプだとスカスカです。見方によっては、ロートマチックタイプのスクリューブッシュかな?とも勘違いしがちな大きさですので、いっそ、GroverとかSchallerのロートマチックに交換しちゃう人も多いかもしれません。

ブリッジ、バックプレート、ピックガード、サーキット

さて、ブリッジ・テールピースは、初期の「55/77」がコンビネーションだったのに対して、N.T.O.M.Bに移行していますので、ルックスは随分と現代的です。

ただ、この時代のN.T.O.M.B.は、現行の「Advanced Plating製」と異なり、金型精度が高く、タイトなポスト穴が特徴的で、アソビがない点でサウンドにも良い影響を与えています。(矢印部分)

プラスチックパーツで特徴的なのはバックプレートです。トグルスイッチのプレートが、従来のレスポールのような円形ではなく「楕円形」です。

キャビティ中のトグルスイッチ本体です。

なぜ、こんなスペックになってしまったのでしょうか…?

とりあえず、外したプレートを戻しましょう。

なんと、ネジ位置が合いません。これ、左右対称じゃないってことですよね。

こちらのキャビティ・プレートは成型品です。

レスポール同様に、方向を間違うとハマりません。

ちなみに、ピックガードは手元にあった70年代のデッドストックを取り付けています。もともと付いていたのもコンディションは良かったのですが、これだとフィルムも剥がしてなくて、なんとなく「デッドストック」っぽいでしょ?

ポットデイトは76年になっているので、なんでモデル名が「55/77」とか「55/78」とか、ごちゃごちゃするのかわかりません。他に「Les Paul 55」というモデルがないのですから、ずっと「55」で良かったような。

そして、見慣れないキャパシター。

P-90のような「SSC-1」

ピックアップは、どう見ても「P-90」のようですが、Gibsonがカタログで意図的に「SSC-1」と記載する理由がありそうですね。

VM (Vintage Maniacs)ってことで、FVさんにしてはめずらしく深堀りせずに画像だけでごまかしてますね、今回。

FV (Fukazawa Vintage Club)おいおい、なんだよ「藪からスティック」だな…。今回は乱入しないと思ってたのに。

VMルー大柴さん的だ(笑)

FVこのピックアップ、音が抜群に良いんだけど、よくわからないんだよね「SSC-1」ってのが。

VM本体に取り付けるベースプレートも、従来のP-90タイプじゃなくて、なんかゴチャゴチャしてませんか? このアングルだとわかりにくいけど、キャビティの形状にもなっていませんよ。

FVギブソンなりの美学だな、デザインの。

VM適当なコメントしてると、読者の方から怒られますよ(笑)

金属製のジャックプレート

VMジャックプレートは耐久性を考慮してメタル製になっていますが、改良がかえって「ヴィンテージっぽさをスポイル」してて、マニアには不評です。

FVといっても、70年代のフルオリジナルとして「交換すべきではないパーツ」だね。

VMそうかなあ、替えたい気もします。3PLYとか。

FVスペックがゴチャゴチャするという意味では、80年代のアッパーリンク・オーあたりはもっと深堀りの面白さがありそうだよ。

VMこんど、レアな59ヴィンテージとかスタンダード82を紹介してくださいね。

FVそれよりもさらに「レア」なところを紹介しようと思っているから、期待してね。

ストラップピン、ノブ、トグルスイッチ、ハードケース

穴が少し大きくなりましたが、まだまだタイトなストラップピン。

70年代独特のカッコいいブラックバレルノブ。ポットのシャフトが短いのに注目。

トグルスイッチのローレットはショートピッチ。

パープルライニングがクールなハードケース。

VM注:こういう置き方で撮影しているとギターが倒れます。真似しないでくださいね。

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ペグブッシュ - 手間と時間をかけた工業デザインの美しさ
ペグをしっかりとギターのヘッドストックにホールドするパーツがブッシュです。ヴィンテージのブッシュはモノづくりの観点からみると、なぜこんなにも手間と時間をかけたのだろうと不思議に思うほど多くの工程を経て完成されています。

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