漆黒の美しさ - 7610 Roc JetとLes Paul Custom (前編)

VM (Vintage Maniacs)ボディが黒いギターって、撮影がむずかしいですね。

FV (Fukazawa Vintage Club)今回は、Roc JetもLP Customも、撮影時間が1時間しかなかったから、ちょっと光の映り込みとか、申し訳ない。

VMしかし、Vintage ManiacsでGretschを取り上げるのは、めずらしいです。

FVGretschの中でも、Duo Jetは、Jeff BeckやGeorge Harrisonも愛用していたので、それなりに市民権あるモデルだけど、Roc Jetは誰が使ってたっけ？

VMマルコム・ヤング（AC/DC）ですかねえ。ニッチですよ。

FV黒いギター2本を前・中・後編の3回にわたってお送りするんだけど、Les Paul CustomのLeftyもめずらしいだろ？

VMとりあえず、Gretschから見ていきますか。

VMトラスロッドカバーがありませんけど、大丈夫ですか？

FV72年後半のモデルらしいぞ。ボディ背面からネック調整するってのは。

VMセミアコっていうか、セミホロウ構造なので、ボディバックにはキャビティプレートがありません。

FVリペアやメンテナンスの際は、配線に手間がかかりそうだ。

VMインレイとかシリアルの周辺の塗装をみると、工業製品というよりは、ちょっとハンドメイドっぽさがありませんか？

FVそうだね、あまりギブソンやフェンダーには見られない仕上げだね。

VMでも、Duo JetとRoc Jetの違いがよくわからないですよ、僕には。

FV一時、ブライアン・セッツァー人気でGretsch復刻版が店頭にならんだときは、いろんなバージョンが発売されたので、楽器店の人達はヴィンテージ・グレッチも含めて、すごく熱心に勉強されていたよね。インターネットにも、細かに解説してくれているサイトがあるから参考にしてみると良いよ。

VM僕は、個人的に「ゼロフレット」って好きなんですよね。

FVしかし、フレットの打ち方が雑な気がしないか？

VMなのに、バインディングとフレットが当たる部分の加工は、オーバーバインディングになっていなくて丁寧。ギブソンっぽいです。

FVボディカラーのネーミングが、70年代のスーパーカーブーム（北米にもあったのかな？）を反映しているというか。オレンジはPorsche Pumpkin、ブラックはMercedes Black。

VMじゃあ、レッドはFerrari Redですね？

FVところが、そこは単なるCherry Redなんだよ。Ferrariから呼称許可がでなかったのかな？（笑）

VMよく見ると、ピックアップがGretschっぽくないっていうか、普通のバータイプのハムバッカーですよ。スーパートロンⅡっていうらしいです。

VM当時、ディマジオのスーパーディストーションとか流行っていたので。しかしまあ、いたるところに「G」マークがレイアウトされていますね。これでもかって感じです。

FVピックガードのGretschロゴは、クリアの材質の裏から印刷してシルバー塗装してあるので、どれだけピッキング・スクラッチが付いてもロゴが消えない。いいアイデアだね。

VM70年代のエレクトリックギターとしては、十二分に手作り感を残していて愛着の持てるGretschですが、常日頃からメンテナンスしていないと、とんでもない事になるっていう。

FV奥が深い「Gretsch道」だけど、すごく個性的なサウンドとアメリカンなテイストを兼ね備えた大切なブランドなので、これからも、もっとスタディしながら紹介していきたいと思うよ。

VM美観として、一番気に入っているのは、この「Thumbnail Inlay」ですね。

FVサムネイルっていう呼び名もクールだ。「親指の爪」っていうシェイプ。

VM他の指じゃ、だめなんすかね？

FV……。

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文・写真：FUKAZAWA VINTAGE CLUB

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