さらりとモダーンのアーカイヴス Part Ⅰ

長年にわたってカルト的な人気を博し続けるモダーン。Vintage Maniacsで過去に取り上げてきた記事を振り返りつつ、マホガニー・モダーンのクローズアップをご覧いただきます。ギターの撮影に使った小物のネタもご紹介します。

ギブソン社の変形ギターにあって、オリジナルの現存が確認できていないのに、長年にわたってカルト的な人気を博し続けるモダーン(機種名“Moderne”はフランス語。英語はModern)。永遠にベールに包まれるはずだった、スルメイカのようなスタイルのギターは、1982年に突然「コリーナ材」で限定復刻され、ギターマニアの前にその姿を現しました。

日本ギブソンのカタログ

ここに、当時の雑誌広告ページがあります。持っていなかった資料ですが、メルカリで販売されている切り抜きを見つけて運よく入手出来ました。

雑誌広告には、モダーンとフライングVのみ掲出されています。エクスプローラーは載っていませんね。実は、当初日本ギブソンには、「初回ロットのKluson搭載コリーナEX」は3本しか輸入されず、店頭販売されたのは、その半年後に限定で追加生産され輸入された「Custom Shop Version」だったのです。

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2018.10.12

自称モダーン・マニアで、いままで幾度となく「穴のあくまで」カタログを見てきたはずの筆者なのに、今回改めてこの広告ページを見ていて、気づいた表現があります。

「1958年に僅か28本しか生産されず、その28本の行方も…」といいう文章ですが、その真偽は不明のまま。

そんな「幻のモダーン」を、Vintage Maniacsでは、事実と噂の交錯するカルトな情報を整理しながら、幾度となく取り上げてきました。

筆者の連番コレクション
カラマズー工場閉鎖時に従業員に譲られたボディやネックの写真。「それらのパーツやボディから、複数本のマホガニー・モダーンがハンドメイドされている」との記述。

過去、Vintage Maniacsで取り上げたModerne関連の記事は、次のとおりです。

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左のコリーナは、パテント図面を忠実に再現してもらったワンピースボディのカスタムオーダー品。ヘッド上部が右に流れている点に注目。この大きさのボディを1Pで取れる綺麗なコリーナ材は、いまや幻ですね。

今回のPart Ⅰでは、マホガニー・モダーンのクローズアップをご覧いただきます。ギブソン社から公式に発売されたスプリットヘッド・モダーンと比較すると、よりヴィンテージっぽい大型のバルタン型です。

右のヘッドストックは迫力ありますね

ピックアップは、もともとパテント刻印のナンバードが搭載されていましたが、元のオーナーの好みで、ダブルブロンドのHystericTeeに交換されています。

随所に、カラマズー工場っぽさと、チューンナップっぽさが同居しているので、ちょっと見ると「不思議な印象」を持つ個体です。マニアでなければ手を出せないですね、危なっぽさが(笑)

ヘッドストックのクローズアップ

今回撮影に使った小物です。

こうしたちょっとした工夫で結構ヴィンテージ感を演出できるので、みなさんも工夫してみてくださいね。ちなみに、①の白いアンティークトビラは、「Salut!」というショップの通販で3,850円でした。軽くて移動も楽チンです。

②は、段ボールの板に、Amazonで買ったアンティーク・ウッド調壁紙を貼っただけですが、見栄え抜群。                

③のフラワーポットは、楽天市場で選びに選んで(笑)1,990円(送料込み)。そこに、庭に生えているアイビーを移し替えたお手製です。

だいぶ横道にそれてしまいましたが、春から初夏にかけて陽射しが上がってくると、ギターの撮影にはうってつけの季節がやってきます。ぜひ、みなさんと一緒にハウススタジオの屋外を借りて、撮影会とか開催したいですね。

コリーナ・バージョンと異なるバックプレート
ヘリテイジ・コリーナ・モダーンはトップジャック 本機はサイドジャック
ボディーバックのコンター加工

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