やみクロ - ブラックな土曜日「73年の54年」

1973年のレスポール・カスタムをご紹介。生産本数が極点に少ない復刻版カスタム。その特殊なピックアップ・レイアウトから繰り出される、唯一無二のサウンドで人気があります。

VM (Vintage Maniacs)54年モデルですね?

FV (Fukazawa Vintage Club)とはいえ、70年代だな。

VM僕は長い付き合いなので、FVさんが「何を言いたいか」わかりますけど、読者の方々にわかりやすくお願いしますよ。全国版なので。

FVインターネットに地方版ってあるの?

VMあったら面白いですよね。静岡県が運営している、静岡県民しか閲覧できないホームページとか。

FV「くさデカ(テレ静)」のホームページが、浜松から箱根までしか閲覧できないとかね(笑)

VMFVさん、相変わらず地理弱いっすけど、箱根って静岡県じゃないですよ。

FVえっ? そうなの? 伊豆は?

VMほっといて先にいきましょう。

FV今日は竹上さんが遊びに来てくれたので、1968年レスポール・カスタムに引き続き、1973年のレスポール・カスタムだ。

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2022.11.18

VM覚えてますよ。ボディカラーはブラックじゃなくて、グリーンがかっているとか、今日は土曜日だから、危ないバイトしてるみたいなタイトル(ブラックな土曜日)じゃ嫌だとか、雑談盛りだくさんの、あんまりマニアックじゃない回でしたよね?

FVそうかなあ。レスポール・カスタムのボディカラーは深黒緑だって発見が、すごくマニアックで、「リフィニッシュしてもらうときの参考になりました!!」っていう好意的なご意見が多かったけどなあ。

VM絵の具の色に例えてましたよね。「ホルベインのペリレングリーンとランプブラックを1:3で混ぜたようなカラーだって、おっしゃってました。

FVリフの色合わせ、むずかしいだろう。いつも思うけど、自動車のボディを塗装している修理の人達の調色スキルは、本当に見ていて感嘆するよ。ギターのリフィニッシュも、デュポンのカラーラッカーで引き受けてくれないかなあ。

VMで、73年に限定復刻した54年モデルなんですが、順番にクローズアップで見ていきたいと思います。

FVパーツの特長としては、テールピースが68年に搭載されていたのと同様に、新金型のアルミ製だ。シェイプは、50年代とだいぶ違うね。

VMそうかなあ、似たり寄ったりに見えますけど。

FVそういわれれば、この角度で見ると似てるな。

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VMと、言うことでヴィンテージっぽさは68ゆずりですね。

FVSG Customでも紹介したけど、私はワッフルバックのクルーソン、大好きなんだよ。

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ゴールドのメッキがくすんでいるのはお許しいただくとして、「普通のクルーソンと比べて、見た目が豪華かつ、ロートマチックより重量が軽い」という点で、ライブでもギタリストから重宝がられるモデル。
シリアルスタンプは、凹んでいるのではなく、むしろ凸型に盛り上がっている印象を受ける
マルチレイヤーのバインディングとゴールドパーツは最強コンビ

VMこの時代は、LP StandardもDeluxeもCustomも、概ね「パンケーキボディ」に移行するのですが、いかがですか?

FV54 Reissueは、このアングルでしっかりと見ると、ボディはワンピースだねえ。すばらしい。

VM欲しくなりますね。

FVまあ、68~74年頃までのマホネック・レスポールは、考えてみれば「横綱59サンバースト」から10年前後しか経ってないから、マーケットでの相場はもっともっと高評価でもいいと 、私は思っているよ。

VMまわりくどい言い方しなくても、読者の皆さんだって、そう思ってますよ。

リフレットされたため、フレットがバインディングに重なっている
「Kluson VXー501」現在もKluson社から継続販売されているモデル
ロゴはクローズドオーの丸ロゴ年代の雰囲気が嬉しい

FV今となっては貴重なバレルノブ。スピードノブとも呼ばれている筒型。薄茶に変色した数字がキュートだろ?

VM現行パーツのエイジド、何度チャレンジしても、こういう色に変色しないんですよねえ。

FVクリアーの部分が変色して、白の数字が茶っぽく見える。独特だね。当時は、このシェイプがあまり好きでなくて、ソンブレロ・ノブに替えたりして元のパーツを紛失してしまってね。

VMあまりパーツのディテールに拘っていなかった頃ですから、中古でギターを入手したときにすでに交換されていたら、オリジナルを探すのも至難の業ですね。

FV昔のようにeBayにポコポコとヴィンテージパーツが投げ売りされている時代じゃないからねえ。

VMジャックプレートは、これで合ってますか?

FVそうね、ゴールドのメタル・プレートで合ってるんじゃない?

VMカッタウェイのバインディングが薄いですね。スタンダードは太いのに。

FV5レイヤーにしないといけないから、部分的に太いマテリアルを使えなかったんだろ。

VMたしかに、面倒くさい以上に、作業的に無理ですね。

FVあと何といっても、一番特徴的なのはフロントピックアップ。よくまあ、手間暇かけて復刻したね。感心する。しかも台数限定の復刻販売だろ?

VMフロントとリアの両方ともP-90だったら、カスタムっぽくないじゃないですか。

FV身も蓋も無いが、そのとおりだな。リアにも「四角いポールピースのPU」(正式名称はアルニコVでいいのかな?)を搭載したら、どんなサウンドになるんだろう。

VM僕がギブソンなら、初めからフロント・リア両方にアルニコVピックアップを搭載したいところです。

FV良い事を教えてあげよう。68レスポール・カスタムはメイプルトップだったろ? このモデルは50年代スペックに忠実に、しっかりマホガニーだ。

VMわざわざ塗装を剥いだんですか? 酷いことするなあ、ヒトのギターに。

FVそんな事するわけないだろ、わかってて遠回しな言い方しないでよ。

VMへへへへ、すんません(笑)

FVあとは、ポットやキャパシター、トグルスイッチ類だけど、まあこのあたりは60年代の名残が出ていて、54 Reissueがヴィンテージ市場で高い評価を受けているのが理解できる。

キャビティカバー
トグルスイッチ
もはや黒いダイヤモンド「ブラックビューティ・コンデンサー」
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さて、いかがでしたでしょうか。生産本数が極点に少ない復刻版カスタム。その特殊なピックアップ・レイアウトから繰り出される、唯一無二のサウンドで人気がありますが、実際にライブやレコーディングで使用されている音源を見つけるのは、なかなか難しいようです。タイミングを見て、本器の試奏動画でグッド・サウンドをお届けしたいと思っています。YouTube動画もご期待ください。

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随所に50年っぽさが遺る68年のレスポール・カスタムにクローズアップ。ボディの「ブラック」の色に注目しつつ、ロッドカバーなどのパーツやGibsonロゴなどの細部を見ていきましょう。

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