音の本棚 - 『The Guitar』 ロクでもない話

以前にもご紹介した写真集『The Guitar』の中で印象に残るSGのお話。実用的な改造からインパクトのあるチューンナップまで、いろいろなSGを見ていきましょう。

「とりあえず改造しちゃえ」だった当時のSG

VM (Vintage Maniacs)「ロクでもない話」って、穏やかじゃないですね?

FV (Fukazawa Vintage)あ、ごめんごめん。「⑥が無い話」だった。

VM以前からFVさんのお宅で本棚みせてもらっていて不思議だったんですけど、『The Guitar』の「⑥巻」を持ってないですよね。

FVよく見てるなあ、相変わらず。

VMっていうか、Hiroshiさんも言ってましたよ。「持ってない理由、怖くて聞けない」って。何かあったんですか?

FVまあ、おいおい話す機会もあると思うので。今日は『The Guitar』で紹介された、印象に残るSG。

VMこの2台ともに実用的な改造がされていますが、わざわざ選んだのには…。

FV右のSG Special改は、「フカザワ・バレー・レストーラーの巻(前後編)」で紹介した、シングルピックガードのSGをワイドにレストアした個体だ。

フカザワ・バレー・レストーラーの巻(前編) - SG Special改

フカザワ・バレー・レストーラーの巻(前編) - SG Special改

2021.6.18

フカザワ・バレー・レストーラーの巻(後編) - SG Special改

フカザワ・バレー・レストーラーの巻(後編) - SG Special改

2021.6.25

VMあれは楽しかったですよね。私もお手伝いさせていただいて…。

FVそうだっけ? 邪魔してたんじゃないの?(笑)

VM左はHystericPAFの試奏で吉野さんが良い音だしてた60年代です。

FVパーシー・ジョーンズのWALかあ、懐かしいなあ。

VMそっちじゃなくて、こっち。ジョン・グッドソールのSGですよ。

FVあ、SGか。そりゃそうだな。これ、ジョン・グッドソールのじゃなくて、ブランドXのツアーに臨時で加入したギタリストの愛器だったと思うよ。

VMよく覚えてますね。

FVというか、ギターをね、覚えてるんだよ。カッコいいし、実用的なチューンナップだったから。

VMFVさんの愛器と瓜二つに見えますが、かろうじて写真集のSGはフロントがP90のままですね。

FVこの時代は、SGって比較的入手しやすいGibsonだから、気軽にいじってるギタリストが多い。

VM今は市場価格を考えると、60年代のSG Specialを買って、ザグってハムバッカー載せる人って、相当勇気いりますよ。

FVでも、SGの音は僕にとっては「Specialがピカイチ」なんだよね。指板のインレイがドットで、ディッシュポジションみたいに大きくザグッてないから、ソリッドな印象。ま、あくまで個人的な印象ね。

VMそういう視点では、SG Juniorもハムバッカー載せるとブリブリしてて豪快なサウンドですね。

FVそうそう。そうだよね。

VMはっきり言って、この時代はみなさん「SGといえば、とりあえず改造しちゃえ」って感じで、自分に合ったチューンナップを気軽に施している印象を受けます。

FVフルオリのヴィンテージ・スペシャルにハムバッカー載せる勇気ないけど、そういうチューンナップをしてあるギターを買うのは、選択肢としてアリだ。

VMそうやって自分自身を正当化してませんか?

FV『The Guitar』って、1~4巻あたりは「演出しない生々しさ」が、想像を掻き立てるんだよなあ。

VMカメラマンといっしょにバックステージにいる様なワクワク感。僕も感じますよ。

FVこのころって、パンクっぽいバンドでも、普通にヴィンテージのギブソンやフェンダーを使って、がんがんライブをやってたよね。

VMパーシー・ジョーンズのWALと、知らない人のミュージック・マスターが一緒に載ってるあたり…。

FVちょっと待った。知らない人で片づけちゃだめだよ。XTCのベーシストの愛器だよ。

VMそれって誰ですか?

FVあれだよ、あれ。あの人。えっと…名前は思い出せないけど…。

VMほら、「知らない人」じゃないですか。FVさんって全然ベーシストに興味示さないっすよね。

FVテツさんは大好きだよ。「ききょう」は、いまでも愛聴している。山内テツ - Wikipedia

VMはぐらかさないでくださいよ(笑)

FVそれと、グレン・マトロック。ちゃんと書いといてよ。

VMグレンさんには、彼がフジロックで来日したときに、GTZのベースをデザインしてましたね。

FVそんなこともあったねえ。

インパクトのあるチューンナップSG

VMチューンナップSG、順番に見ていきましょうよ。

FVなんといっても、当時もっともインパクトあったチューンナップSGといえば、この人だ。「フランク・マリオ」大先生。

VMそれじゃあスーパーマリオですよ(笑) 「マリノ」って、ちゃんと発音してください。

VM写真集のページがちぎれていると、撮影しやすいメリットがありますね。

FVものは考えようだな。

VMしかし、3本とも癖のある改造してますねえ。とくに、これ。

FV本人は、よほど気に入っているんだろう。ヴィンテージのスタンダードを2本もいじってる。

VMスタンダードじゃなくて、スペシャルですって。

FVあ、ほんとだ。今日の今までStandardだと思っていた。

VMいつかヒスコレを改造して、シングル×3にしたいですね。

FVよっしゃ、来年のゴールデンウィークの課題にしよう。さっそくヨッチャンに相談だ。

VM…って、ドコいくんですか、まだ終わってないですよお、もう! FVさん、どっかいっちゃったんで、最後の締めくくりに「SG史上、もっともファンキーなスタイリング」だと僕が思うギターを紹介しておきますね。結局、なぜ「⑥」が欠番か聞けませんでした。すみません!

記憶がただしければ、ARBの田中一郎さんの改造SG。
フランク・ザッパさんのSGは、パーツ交換しにくそうです。

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