ヒスコレ・ハードケース今昔 Part Ⅶ (後編)
ブラウンケースの重量に注目したシリーズの後編。前編に引き続き各タイプの重さを量りつつ、スペックの変更箇所も見ていきます。また以前製作をしたBurst Brown Containerのエイジド加工の様子もダイジェストでご紹介します。
前編は、唐突に「どしー!!」で終わって後編に続いているわけですが、とにかくギターと同じくらいの重量があるハードケースですから、3kgと4kgの差って、想像以上に大きいです。
重めのヒスコレ・ブラウンケースを持っている読者の皆さんも経験ありますよね? 「ギターが入っていると思って開けたら、カラだった」ちょっと大げさですが、そんな感じです。
例えば50年代レスポール(3.8kg)を軽い3.3kgのケースに入れた場合は合計7.1kg。70年代のスタンダード(4.6kg)を4.5kgのケースに入れたら9.1kg。ほら、2kgも違うでしょ?
重量の測定結果を見る前に、まずバッジ付きのヴィンテージと40th※を比較してみましょう。(※1999の40thヒスコレに付属したケースではなく、外観の仕様で5ラッチを便宜的に40thと呼ぶことにします)
奥がヴィンテージで、手前が40th。ともにハンドルと逆側にラッチはありませんが、ヴィンテージは4ラッチ、40thは5ラッチになっています。
この角度から見ると、2台のヒンジやリベットのスペックが共通していて瓜二つですね。(ちなみに、4ラッチのヒスコレ・ブラウンケースは、まだ見たことがありません)
持った感じで、すでに「軽い!」と感じるヴィンテージケースですが、実際に測ってみると、本日の最軽量「3.1kg」でした。
一方で、軽い個体が多いはずの5ラッチの40thですが…
これは「4.55kg」ありました。コスタリカ製ではなさそうです。5ラッチの終わり頃から、マニアの間で「ヒスコレのケースが重くなった」と囁かれはじめました。それでも、ルックス的なカッコ良さでは群を抜いています。
さて、次の時代になると、大きく2か所のスペックが変更されました。
これまで、茶色に塗られていた「内ポケットの側面を止めるリベット」が、ブラス素材のままになります。(次の写真の 〇 部分)
このタイミングで、ハンドルと反対側にラッチが1つ追加され、6ラッチに移行しました。
縦にならべてみると、こんな感じなので、40thとは違いがひと目で区別できます。
ボディのふくよかな部分のサイズが変わりますので、遠目にみると全体のシルエットがもっちゃりして、違った印象を受けますね。
それもそのはず、ボディのプロテクションで「アンコ」がしっかりと敷かれていますのでサイズが一回り大きくでっぷりしています。賛否ありますね。
VM賛否あります…って、そりゃハードケースだからプロテクション機能重視なのは、メーカーとして良心ですよ!
FVまあまあ、そう熱くならないで。最近では100万円ちかくするヒスコレのスタンダードだから、もうちょっとマニアに嬉しいことをしてほしいな。
VM例えば、プロテクション重視するのなら、ドンズバの軽量ブラウンスリムケースを再現して付属する傍ら、クッションを強化したセミハードっぽいZipケースカバーを復刻するとか。
FVなるほど、さすがだ。すべて解決するね。軽量ブラウンスリムケースが3.3kgとして、クッション強化したZipカバーが1.0kgなら、合計で重いカナダ製ブラウンケースを下回る。
VMZipケースカバーにショルダー機能がつけば、一目瞭然ですね。
FV一網打尽だろ? (編集注:一石二鳥と言いたいみたいです)
VMブラスリベットが1個のバージョンは、概ね4kg前後で重めの個体が多いですよ。
FVなんとなく不人気なバージョンだな。で、今回紹介する4つ目のスペックは、リベットが2個に増えた時代の個体だ。ここで、いったん軽量化が図られる。
VMあ、ほんとだ。3kg台ですね。ダイエット成功ですね。
FVこの後、まだまだスペック変更されるんだけど、結局シェイプやラッチの数、リベットの仕様とか見た感じの印象を大事にすると、どうしても40thが欲しくなっちゃうね。
VMヴィンテージのブラウンケースも随分と入手しづらくなっているので、大切にしなくちゃ。みささんもVintage Maniacs謹製(笑)のZip Case Coverで、しっかり保護してくださいね。そういえばさ、ヒスコレのブラウンケースをエイジドするリチューニング・レポートって、もう一度読みたいんですけど。
FVちょっとダイジェストで写真だけでも紹介しておこうか。
やっぱり、レスポールにはブラウンスリムケースが似合いますね。
ギブソン純正ハードケースの種類を比較
2018.5.4
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