ヒスコレ・ハードケース今昔 Part Ⅶ (前編)

Vintage Maniacsの過去の記事で「ヴィンテージ・ブラウンケースは約3kg前後、重いヒスコレケースは5kgもある」と記述しています。これは本当でしょうか。「重い」といわれるカナディアン・ブラウン・スリムケースの重量をまとめて測定しながら、実際にどの程度だったのかを見ていきたいと思います。

ブラウンケースの体重測定

レスポール・ファンにとって、1999年にギブソン社が復刻したヒスコレ・ブラウンスリムケースは、長年心待ちにした大変嬉しいスペックでしたね。それまでは、唯一「80年代のHeritageシリーズ」で復活したブラウンケースが「最もヴィンテージ似」と評され人気を博してきたわけですが、それから20年たって登場した「コスタリカ製ヒスコレ初代ブラウンケース40th」は、随所で目を見張るさらなる再現性を誇っています。

さて、これまでVintage Maniacsでは、過去6回「ブラウンケース特集」をお届けしてきました。

ギブソンのブラウン・ファット・ハードケース

ギブソンのブラウン・ファット・ハードケース

2016.5.6

Gibsonの証 - ブラウンハードケースのロゴバッジ

Gibsonの証 - ブラウンハードケースのロゴバッジ

2016.6.17

ヴィンテージと復刻版の違いをチェック - ギブソンロゴ・ケースバッジ

ヴィンテージと復刻版の違いをチェック - ギブソンロゴ・ケースバッジ

2017.7.21

ギブソン純正ハードケースの種類を比較

ギブソン純正ハードケースの種類を比較

2018.5.4

下から99ヒスコレ、VM製BBC、80ヘリテイジ、ヴィンテージ
99初期にキャンペーンで購入者にプレゼントされたケースは、ハンドルが似ている点と軽量であることから現在でも人気が高い
ギターケースの革製の取っ手 - 50年代ヴィンテージ・ハンドル

ギターケースの革製の取っ手 - 50年代ヴィンテージ・ハンドル

2018.8.17

Historic Collectionのブラウンケースの変遷(1999~2011編)

Historic Collectionのブラウンケースの変遷(1999~2011編)

2022.1.21

倉庫の中に、Tomから貰ったちょっとめずらしいケースもありました。

この一連の記事の中で、バッジやラッチ、ハンドルリペアなどのディテールを見てきたわけですが、実は「ギブソン純正ハードケースの種類を比較」では、「ヴィンテージ・ブラウンケースは約3kg前後、重いヒスコレケースは5kgもある」と記述しています。自分で書いておいてなんですが、これは本当でしょうか。今日はサマーホリデーで天気も良いので、「重い」といわれるカナディアン・ブラウン・スリムケースの重量をまとめて測定しながら、実際にどの程度だったのかを見ていきたいと思います。

手前から、①USA製、②カナダ製、③コスタリカ製、④コスタリカ製※①と②のバッジはVM復刻

VM (Vintage Maniacs)……で、僕をケースの「運び屋」として呼び出したってことですね?

FV (Fukazawa Vintage Club)仲良くやろうよ(笑)

VMそもそもブラウンケースの重さなんてどうでもいいじゃないですか。最近はもっぱら保管用で、 外に持ち運びしないでしょ?(相変わらずの問題発言)

FVまあ、復刻版でも3万円以上する高価なケースだし、おいそれと運搬用という訳にはいかないだろうけど。プロテクションからすると、もっとガッチリとギターを保護してくれる仕様のケースも沢山発売されているからね。でも、やっぱり「ヒスコレを見せっこ」するときは、これで持ち歩くと「おおおおお~っ」ってなるだろ?

VMで、重量が問題ってことっすか。そんなもんですかね、還暦超えると(笑)

FVそうそう。おじさんにはケースの重さって堪えるんだよ。

VMところで、このケースのバッジってヴィンテージっぽいですけど、純正ですか?

FVギブソンのバッジは途中からデザインが変わって似てないから。ヴィンテージから型を起こして、ブラスで100個ほど作っちゃった。

VM相変わらず、変なところで手間暇かけてますね。じゃあ、順番にケース出しますよ。

ヴィンテージに一番似ているケース

FVまずは、リファレンスになる50年代のブラウンケースだ。

VMこの「講堂の板張り廊下」みたいな匂いが良いですねえ。あれ? バッジ付いてないですよ。

FV50年代中期では結構見かけるね。そして、ヴィンテージに一番似ているのが、この「バッジ無しの初期バージョン」。99(40th)ケースと同時期にOEMで流通したものだ。

VMバッジ付きよりも貴重ですね。

FVこのアングルで見比べると、いかに似ているか判る。いちばんオリジナルに近いデッドコピーだと思う。

VM内張りのカラーが萌えますね。

FVケースを開けたときに、「おっ」って思う感動があるだろ? それと、取っ手と反対側にラッチが無いのも再現されている。これは99(40th)も同様だが、ポイントが高い。

VMそれでは、本題の「体重測定」です(笑) まずはバッジなしのヴィンテージ。

VM3.35kgは、なかなか軽量で優秀ですね。そして、バッジなしの復刻版。

FVおお、すごい! 3.40kg。重量までデッドコピーだ。

VMいやあ、これは楽しみになってきましたね。どんどん測りましょうよ。

FVってことで、後編に続きます。

VMどしー!!

補足

そういえば、最新のバージョンは「バッジがさらに新しいデザイン」になっているので、付け替えたいと思っているマニアにとってはチューニングのポイントでもありますね。

好評を博した「Burst Brown Container」は、エイジドのヒスコレにリアリティをもたらせる、ニッチなグッズです。

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Gibsonの証 - ブラウンハードケースのロゴバッジ
ヴィンテージ・ブラウンケースについているGibsonのロゴバッジは、ブラスでできているプレスのプレートで、古めいた風合いがなんとも50sしているキュートな存在です。ちょっとした小物パーツですが、ヴィンテージにとってはなくてはならないアイテムですね。

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